あなどれない
ご近所の窓窓に風よけのテープがはってあるので、何もそんなことをしていないわが家は少しびびっていたのですが、一応何事もなく無事でした。たしかに風は激しくて、向かいの森の木が波のようにゆれていましたが、昔から聞き慣れていた以上の音ではなかったし、雨も全国の被害状況に比べると、特にひどくはありませんでした。とにかく少しは涼しいし、蚊に責められながらの朝夕の水まきは気分的に限界だったので、少しだけ生き返った思いです。でも、吹き曲げられて通路をふさいだユキヤナギの枝を切ろうと、ちょっと雨の合間に庭に出たら、とたんにずらりと両足に蚊がとまって、ほんともう、火炎放射器で焼いてやりたくなりました。自分はどうなってもいいからさ。
そして、マッサージ店や美容院が皆お休みになったので、出かける予定がなくなったのをいいことに、どーでもいい仕事にまたうっかりはげんでしまって、家は散らかりっぱなし、メールも手紙も出せないまんま。人間としての生き方を放棄してるみたいで落ち着きません。台風の被害はこれと言って出ていないのに、何から片づけたらいいんだろうと悩む自分が、自分でもどうなんだろうと思います。
とにかく雨も風も一段落したかなと思っていたら、さっき外に出たら、また突風と激しい雨。なるほど今回の台風は予測不能であなどれない。「雨月物語」の「吉備津の釜」で、もう夜が明けたと勘違いして外に出たとたん、怨霊にしてやられた正太郎のことを思い出してしまう。
とか言ってたら、もうこんな時間。風はどうやらやんだようです。猫も安らかにベッドの上で寝ています。あ、ちがった、にゃあにゃあだって(笑)。