米不足
さっき買い物に行ったら、二つのスーパーのどちらにも、米がまったくなくなっていて、棚は空っぽだった。すみっこに玄米やもち米の袋が少し並んでいた。
本当に品薄になるのかしら。
ニュースでは九月になれば事態は改善されると言ってたが、そりゃ今のメディアや政府のていたらくを見せられていたら、皆それで安心するとは思えないよなあ。
それにしても、この日本で米がなくなるなんて、すごい。政府の農業政策は昔からろくなものではなかったが、そのつけが、そろそろ見えてきたということかしらん。
まあ、うちには今、米がなければ、そうめんも餅もパンもあるし、米そのものも、まだしばらくはあるから、そうあわてることでもないが。
ただ、この数年、私は米中毒じゃないかと自分でも心配になるぐらい、米のうまさにはまってしまって、恐ろしいほど食べていた。最近ではもう外食もまったくしないで、ひたすら自炊で米の飯を満喫していた。
こんなにおいしいものがあるだろうかと思うぐらい、食べれば食べるほど米というのはおいしくて、すっかりうつつを抜かしていた。その前はけっこうパンも食べていたし、好きだったんだけどなあ。そろそろ方向転換しといた方がいいのかな。
ところで、ごはんで思い出したが、コミック「忘却バッテリー」のDVDだの紙本だのネットの感想などを読んでいろいろ楽しんでいる。それで、こんなほめ方をしたら、ひいきの引き倒しで迷惑をかけそうで心配だから、こそっと書くと、私がこの作品を抵抗なく楽しめるのは、おおかたの野球漫画が、ともすれば彩りで必ず出したがる、主人公を支えるかわいい女の子がまるで登場しないことだ。野球一途の主人公たちは、皆そろって恋人なしの童貞で、アダルトビデオに夢中になってる。その設定が、とてもいい(笑)。最初に登場する主人公(要圭。現在記憶喪失中の元名捕手)のおかあさんは、ぶっとんだ人で、「あたしをおもちゃにしてエッチな空想をしてもいいわよ」とか言って息子を逆上させる。もうひとりのお姉さんは半裸で玄関に出てきて「腹減った、飯作れ」と弟(藤堂葵。元不良で一番の硬派。しかも彼は実際に料理が得意で、仲間にハンバーグ定食などを普通にふるまい、家族の中では食事係)に命ずる。このお母さんもお姉さんも、別に変な人でもなく、ちゃんとそれなりに感じが良いし、かわいい。
そのへんの設定が、すごくいいし、人形みたいな美少女が恋人としてくっついているよりは、案外はるかに現実に近いんじゃないかって気さえする(笑)。かなりあとになると、それなりのかわいい女子も出て来るが、別に全然恋人とかじゃなく、むしろ、女子野球の選手としての能力もある存在として描かれる。主人公たちにあこがれる女子たちも、七人の恋人がいるすごい後輩も出てくるが、いずれも実にうまく扱われていて、少なくとも私のような読者には、ものすごく快い。
多分これは、それなりに現実の反映でもあるだろう。むしろ従来の野球漫画にともすればあった、型通りの純愛物語風の彼女のような設定が、今は現実離れをして描きにくくなってるのかも。そういう意味でも、このコミックは刺激的だ。
写真は六大学野球のファンだった母が持ってた、大昔の選手のフィギュア。