あのサントリーがなあ
ホーソンの「緋文字」を読み始めたのだけど、ご多分に漏れず最初のまえがきみたいな「税関」でひっかかり、こんなにのんきにゆたゆた書いて読者に見限られなかった時代は幸福だとか毒づきながら、やっと抜けたら、いきなり普通の小説っぽくなって、ぐたっとして中断してる。まあまたすぐ、ガジガジかじり出すだろうけど。
たしか中学か高校のときに、文学全集で読んでるんだよね、一応は。でもまだ何にもわからなかった、その時は。やたら悩まし気な男性が謎めいていつもいたのだけは、おぼろに覚えているんだけど、その記憶だって正しいんだろうか。
スーパーに行って麦茶のボトルを買うたびに、サントリーのを買いかけて、あっちがったしまったと棚に戻すのが、ほんと、うら悲しい。コマーシャルもおしゃれだったし、ずっと何となく信用して愛用していたメーカーだったのに、何とマイナンバーカードと保険証廃止に熱心な会社らしいと知り、他にもどうやら似たことをしていそうな気配に、もう絶望して、いっさい買わないことにしたのだが、何かなつかしい時代も消えてしまうようで、本当に情けなく、くやしい。メーカーやブランドには、そういう思いを抱いてる使用者への愛情はないのか。誇りはないのか。ないんだろうなあ。そういう国になってるんだろうなあ。
奥庭のピンクのバラが妙に咲き誇っていて、華やかでうっとりします。でも、大きな株が二つ枯れてしまったようで、私真剣にバラの育て方を学ばなくてはいけないのかも。