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六年生の夏(17)

ははは、今のような猛暑じゃなかったでしょうが、やっぱりお盆は交通機関は混雑していたんでしょうねえ。そして、昔の鉄道の乗客は今では考えられないほど荒っぽかったと見える。

8月16日 土曜日 天候◯ 起床7時20分 就寝11時30分

昨日、二日市にとまったので、今日、昼ごろ、中間へ出発した。バスも、電車も、汽車も、そろいもそろって満員で、頭が痛くなりそうだった。もっと悪かったのは、折尾の駅だった。汽車は満員で、私たちはあっちこっちに散らばって、どうにかすわれた。時間になったけど汽車はピーともポ―とも言わない。皆が、ガヤガヤワイワイ言い出すと、マイクが貧弱な声で、まだ上り列車が来ないから、訳十分ほど待ってくれと放送した。十分立つと、もう二十分と言った。こうしてダラダラ時がすぎた。乗客の中の勇かんな人達は、窓から首を出して、「オーイ、駅長、早く出せ。」とか、「グズグズするな、バカヤロウ。」などと、どなり始めた。私もいい加減いやになった。「いったい、この汽車、二十世紀の内に動くのかしらん。」
私がつぶやいた時、シュウシュウゴウゴウ音を立てて上り列車が入って来た。それから三分後、ギーッガタンと言う音がして、私達の汽車は動き出したのだ。

写真は、上が私の母と従姉の伊佐子ちゃんと私。田舎の家に近い菜の花畑です。下は叔母に連れて行ってもらったんでしょう、多分別府のラクテンチの象さん。大きさからしてまだ子象ですね。伊佐子ちゃんといっしょに乗ってる私。こうやって、あちこち連れて行ってもらってました。

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カツジ猫