あまりにも戦線を広げすぎた結果、戦況がまったくわからない
長いタイトルですみません。まあ何かいつものことではあるのですが、新しく始めたことや、いつもの仕事や、その他いろいろ多すぎて、朝から晩までしゃかりきで仕事をしても、いろんなことがちょっとずつしか進まないから全然達成感がない。どうしてくれよう。
とにもかくにも、郵便局と大学生協で注文していた本を受け取り、大学の事務に行って、後期の国文学史の授業は前期の古典文学講義同様、対面授業の集中講義で行うことを確認し(他の集中講義との関係もあるので、たぶん、期間は11月ごろになりそうです。受講希望の学生の皆さんは掲示等に気をつけておいて下さい。このホームページの「お手紙」の欄から私にメールができるので、ここは都合が悪いという期間があれば教えておいて下さい…と言って、それでご希望に沿えるかどうかわかりませんが、参考にはできるかもしれない)、なぜかいつ行っても開いていなかった喫茶店にひさびさにやっと行けてコーヒーとフルーツサンドにありつき、猫のカツジにわけてやるフクのおさしみを探して、隣町のイオンにまで行き、冷蔵庫の中の食材を片づけるための料理を三つ四つ作り、「断捨離飛行艇」の原稿を完成させて、あーまだ何かやったんだっけ。こう書くと全部くだらないことばかりだな、どうでもいいけど。
そうそう! 田舎の家に残されていた宇佐航空隊の特攻隊員の方の手帳が(「断捨離停車駅」のラストにも記事があります)、いろんな方のご協力で、東京の遺族の方の手に届き、その動画を送っていただきました。その隊員のかたのお姉さまが百歳を超えてご存命で、その方の手に手帳が渡されました。若々しい美しいおばあさまで、弟さんの日記とわかっておられるかどうか(わかっておられるようでもありました)ははっきりしませんでしたが、あの手帳が、そのお姉さまの手に触れて、目に見られただけでも、どんなにかよかったと思います。
その動画ではお元気そうだったのですが、お姉さまはそれから間もなく、数日前にお亡くなりになったそうで、淋しいです。娘さん(特攻隊員の姪にあたられる方)が、母親が生きていたらどんなに喜んだかしれないのにとくり返しておられて、もっと早くお渡しできていればと悔やまれたのですが、今では姉弟とお母様と皆であの手帳の話などしておられるだろうと思ったりもしました。
私の母も、きっと喜んで、満足しているにちがいありません。
昨日今日と、少しだけ涼しいです。庭を大小さまざまのいろんなちょうちょが飛んでいます。クロアゲハの写真を一枚撮ったけど、きっと小さすぎて見えないだろうなあ。おわかりになりますか?
野党の新党は枝野さんが代表に決まり、党名も立憲民主党になったそうで、安心しています。とにかく他の野党もワイドショーも、民主党政権の悪口を言うのは絶対にやめなさいよ。事実をろくに検証もしないで。安倍政権に比べたら、民主党政権は、素晴らしすぎて比べるのさえバチが当たるレベルですよ私に言わせれば。
適当に買ってきた文庫本の山をちょこちょこ読み漁っています。カラという人の「噂」というミステリは、平和な小さな町に、子ども殺しの少女が成長した女性が保護されて名前も変えて住んでいるという噂が広まるという、よくありそうな話なんだけど、これがもう妙によくできていて、凄惨な描写なんかひとつもなくて、きめこまかできれいで温かい場面ばかりなのに、異常でもなく病的でもなく、ほんとに平和なありふれた奥さんたちの日常なのに、なぜか次第に読んでいてものすごく恐くなる。湊かなえの作品のいくつかに似てるところもあるのだけど、どこがどうしてそうなるのか、湊氏の作品と比べても、ただもう恐さがはんぱない。
いろんな恐さが重層的に合成されているんだろうな。もと殺人犯の少女がおばさんになって普通の人の顔して町に住んでいるのは、冷静に考えれば何も恐いことなんかない。でもそれを恐がって、隣人を疑って攻撃しそうな善意の人たちの動きがホラーだし、決して悪人ではなく愚かでもないヒロインが、つい、ふと、その動きに一役買ってしまうのもまた恐い。だんだん何が恐いのか、もうよくわからなくなって、悪の仕分けができなくなる。
最後の最後がまたものすごい。よく考えれば考えるほど、恐くなる。だんだん、何が悪いのかもわからなくなるのが一番恐い。
また話は全然ちがうが、「極主夫道」がドラマ化されるのな。主演の玉木宏には何の不満もないが、You Tubeで流れてる津田健次郎さん主演のやつが最高に素敵なので、ちょっともったいないなあ。