いちかばちかのローストチキン
つくづく私もバカだわよ。
大昔、学生のころから、クリスマスには、特に料理もイベントもしなかったけど、ただ、ケーキを買って、ローストチキンの丸ごとを買って、コーラを飲んで、すませていた。時にはクリスマスにまつわる映画なんかをDVDで見てた。飼い猫とわけあうから、ケーキはいつも白い生クリームかチーズケーキ風のやつだった。
今年も最低そのくらいのことはしようと、スーパーで丸ごとチキンを探したら、不景気なのかお一人様が増えたのか、脚だけのはあるけど、丸ごとは売ってない。
何だかどうしても買いたくなって、肉売り場をうろついてたら、何とナマの丸ごとチキンがパックでいくつも売ってあり、それもけっこう安かった。
でも、あんなもの自分で焼ける自信なんかないし、オーヴンだってないし、どうしようかと迷っていたら、今日までの賞味期限で、半額になっているのがあって、もうままよと買って帰ってしまった。
調味料をすり込んでレンジで焼けば何かはできるだろうと思いつつ、ネットでレシピを調べたら、いろいろ難しいことが書いてある。知るかと思って、おまけについてたセージと、庭でちぎってきたハーブと月桂樹をしこたまつめこんで、温度も時間も無視した電子レンジでとにかく何度も焼いてみたら、何とかそれらしいものができて、いい匂いもたちこめた。一部を切り取ってかじってみたら、まあそこそこいける味になっていた。
ケーキは注文しているし、お酒はあるし、まあ明日のイブはこれで何とかなるだろう。
映画を見ている時間はないけど、こんなことして怪しげなチキンを焼いたりしてたら、ふっといきなり、シャーロック・ホームズの、クリスマスの七面鳥(あ、ガチョウでした)の中から宝石が出て来る短編小説(青い紅玉)をものすごく読みたくなった。明日は書庫から本を探して、それを読んで過ごそうと思う。
焼き上がったチキン。何とかそれらしいでしょ(笑)。