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いまさら言ってもしかたがないが

・・・猛暑だなあ。

◎家の前の空き地に小さな離れを建てることにして、もう整地が始まっている。昨日は大工さん親子が来て、現場を見て行った。ものすごい暑さだったので、私の麦わら帽子を貸した。
ついでに書斎の机と本棚ふたつを処分かたがた持って行ってもらった。何十年も使ったなつかしいものばかりだが、とにかく家具をへらさないとどうしようもない。すぐに貰い手が見つかったそうで、ほっとした。第二の人生?をしっかりがんばってもらいたいものだ。

その家具の運び出しをしてもらっている間、三毛猫のシナモンは奥の方にかくれていたが、カツジ猫は手伝いたそうにうろちょろしていて、いつか姿が見えなくなった。玄関が開け放しだったので、しまった、外に出たなと思って、迷子札を首輪につけているとはいえ、やつは、この近くは歩いたこともないので、迷子になったら困るなと思いながら、片づけをしていた。

そうしたら、熱波で外はギラギラ輝いて明るいのだが、その明るくまぶしい戸外から、やつがそれこそ「LOST」の黒煙が稲妻化したように、まっすぐすっとんで、家の中に飛びこんできた。目をまん丸くし耳はぺたんこに後ろに寝かせ、しっぽはほうきのようにまっすぐ後ろにたなびいている、といった勢いで、全速力でぶっとんできて、私にも目もくれず、部屋の奥にかけこんでしまった。

多分、家の周辺によくいる、大きなノラのきじ猫と遭遇したのだろう。声もしなかったし、もちろんけがも何もしていないし、おおかた、草の中からぬうっと出たのにはちあわせして、仰天してとりあえず飛んで逃げたにちがいない。
「おうち、おうち、おうち! とにかく、おうち! おうちに入ったらなんとかなるっ!」と言わんばかりの形相で、安心するより吹き出してしまった。
よくいくお店のオーナーに話したら、「本当にビビりですねえ」と感心された。

先日、エイズワクチンの注射に行ったとき体重を測ってもらったら、前は4キロあったのに、また減って3.8キロまで落ちていた。私が心配すると、先生はいろいろさわって、こねてみて、「いや、このぐらいで普通ですよ」と保障してくれた。毛が長いし、顔もでかいし、身体も長いし脚も太いから、もっと体重があってもいい気もするのだが、まあ、やたら元気だから心配ないか。エサはよく食べるし、家中どんどこ走り回る。ときどき柱の中ほどまで、がしがしがしとよじのぼっては飛び下りる。かみつくくせも、だいぶなくなった。

こいつが、こんなに元気なのは、自分が今やこの家のナンバーワンになったという、いわれない自信のせいだろう。
本当は全然そうじゃないのだが、シナモンがばかばかしいのかカツジとはりあわず、寝室や庭や、自分の好きな場所で寝ていることが多いので、実際にはカツジがいつも私のそばにいて、仕事をしているテーブルのわきで寝ていたり、トイレに行ったらついてきてドアの前に寝ていたりで、一番私の側近というかたちになっている。それで満足しきっているのがよくわかる。

私はシナモンにも、おいしいエサを持って行ってやったり、ときどきいっしょに寝たりして、かわいがっているから、シナモンはそれなりに落ちついて、あまりカリカリもしていない。まったく立派な名猫である。
これでシナモンをカツジが、かさにかかっていじめて、私を独占しようとでもしたら私も許さないところだが、カツジは性格がいいのかどっかヌケているのか、別にそこまでは目を光らせない。わりと、てきと~な線で大満足しているらしいのが、私としては大変ありがたい。

わ~、暑いとはいえ、せっかくのたまの休みに、こんなくだらんことを書いているヒマはないのだが。

◎じゅうばこさん

前田武彦さんの訃報については、テレビも新聞も、彼がテレビ界から葬られたいきさつを、まったく伝えなかったことも私はかなり不愉快でした。そのことが彼の恥辱や汚点でもあるかのように、さけてふれない神経が、私にはまったく理解できません。自分らの業界のしたことが悪かったと思うかよかったと思うか、どっちにしてもきちんと伝えるのがスジでしょう。情けないですよ。まあ、いつの時代でも、どこの世界でも、こういうだらしない情けない考え方はあるし、そういう人はいるもんですが、そうでない人がまったくいないというのは、ちょっとどうかと思いますね。

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カツジ猫