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うぎゃあ!

日曜日の大河べらぼうの劇中劇で抱腹絶倒し、つい一気に読んでしまった菱岡氏の「椿説弓張月」現代語訳に浮かれて昔読んだ講談社の児童文学をネットで注文し、自分の自費出版「馬の中・夜」が届いたのはいいけど包装がぐちゃぐちゃで本が傷んでいたのに怒髪天を衝き、福地幸子さんの県政報告会に行ってまたまたいろいろびっくりし、衝動買いしたホークスの打撃投手の人の本を読んで楽しみ、あいかわらず暑いし、まあその他いろいろあって、今朝はバテながら外に出たら、雨が降っていて大喜びし、二度寝してだらだら一日過ごし、夕方はっと、猫の命日を忘れていたことに気がついた。

うぎゃあ!と大慌てで、お墓に供える鉢植えだの(昔は花を植えたのだが、今はそういう余裕もなく、鉢植えを買って並べることにしている)、仏壇に置く花だの缶詰だのフードなどを買い集め、もう暗くなった庭で必死に鉢植えを並べようとしながら、それにしても、もう一年も経ったかしら、ついこの間こんなにあわてたような気がするのに、とか思っていて、はったと気づいたのは、八月初めのこれは初代猫おゆきさんの命日で、私は三月初めの愛猫キャラメルの命日とごっちゃにしていたということで(笑)。

あまり完璧に忘れていて、思い出したパニックで混乱したのだろうが、これも認知症の始まりかと思いつつ、まあ、いい方にまちがえているのが救いよなと胸をなでおろしたりした。何しろキャラメルの好きだったカワハギを探すのに毎年奔走して、今回も当然見つからず、ヒラメで勘弁してもらおうと悲しい気持ちで買って帰って来たのだが、その必要は今回はなかったわけで、あのヒラメは明日玉ねぎと煮て食べよう♪おゆきさんには例年、花と缶詰といろんなフードを供えることにしているから、これで問題ない。ほっ。

いろんな本や番組の感想は、そういうわけで明日ゆっくり。ゆうべは久しぶりに友だちに電話して、参政党のことやら何やらしゃべりまくって面白かったのですが、それもまた明日ゆっくり。

あ、ひとつだけ。原爆忌関係の特別番組がいろいろあって、高齢の被爆者の方々が多く登場して話をされていたのですが、内容はもちろんのこと、驚いたのは百歳近いその方々のどなたもが、若々しくて声もお顔もきれいで、歯切れよく明確に話されることでした。もちろんそういう方を主に番組を作られたのかもしれませんが、弱って不遇で苦しい生涯を送ってこられたような方でも、どこかしっかりと節度と重みを持った美しい話し方をされます。そうやって口にされることばのひとつひとつが、借り物でも型どおりでもない尊さがあり、幼い日に襲われた運命をかみしめて、時代や世の中を見つめつつ歩んで来られた人でなければ作れない、紡げない強さがみなぎっていました。本当に、一人残らず。

昔、沖縄のひめゆり部隊の方々の映画を見たときに、登場された方々の若々しさと力強さに目を見張ったことも思い出しました。自らの体験と向き合い、世の中や時の流れと向き合って、毎日を過ごして来られた人たちが持つ、磨き上げられた手触りと光沢が伝わって来ました。

そんな風にはとてもなれないと思いつつ、それでも雑然としすぎる自分の生き方の中に、似たものを育てて行けたらと、つい期待してしまいます。

写真は先日行った「国宝展」で展示されていた鐘のひとつ。場内に多分、その鐘の音が流れていて、どこか上記の方々の声と似ていたかもしれません。

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カツジ猫