お見事!
この小さい家を母の隠居所として建てたとき(結局母はすぐ老人ホームに入って、ほとんど使わなかったのだが)、お祝いにもらった、小さなシクラメンの鉢は十六年経ってもまだ元気だということは、前に何度か書いた。キッチンの窓辺に置いて毎日水をやっているだけなのに、何度か虫もついて葉っぱも枯れてすっかりなくなったりしたのに、また復活して元に戻る。
この夏も元気がなかったので心配していたら、最近もしゃもしゃ葉が増えて、もしやとひそかに期待していたら、今朝、小さいピンクのつぼみが二つついているのを発見。もう、お見事というしかない。


国会では議員定数削減の法案を通すかどうかでもめてるみたい。いいけどね、あんな急に出て来て説明も議論もろくにしないまま、質問も反論も受けつけないまま、成立させようってのが、どう考えても無理やんね。
強引な訪問販売じゃあるまいしと思うが、その前に私がつい、くだらんことを思い出すのは、たしか朝ドラ「ばけばけ」のヘブン先生(最近気づいたが、すごくいい役者さんだね。見た目も演技も)こと小泉八雲の「怪談」にあったんじゃないかと思う、殿様と侍の話だ。
ある侍が何かの理由で殿様から手討ちになることになった。彼はその処分が不満で、斬られる直前まで抗議した。死んだら祟ってやると宣言した。殿様は、そんなにその気があるのなら、今から首を斬るから、その首で眼の前の敷石にかみついて見せろと言った。
侍は、そうしてやると言った。そして殿様が首を斬ると、本当にその首は飛んで行って、眼の前の敷石にがっきとかみついて、すごい形相でそのまま死んだ。
見ていた家来たちは震え上がった。あれだけの執念があるのなら、この先どんな祟りがあるかと皆が恐れた。しかし殿様は涼しい顔で、「彼の精神は死の瞬間、あの敷石にかみついてやるということだけに集中して、他のことはすべて消えてしまったから、恨みも消滅してしまった。今後も祟りなどはない」と言った。その通り、以後は何事も起こらなかった。
この話を知り合いに聞かせたら、何かすごく受けたのですが、それはさておき。
定数削減はもともと維新が連立組む条件として自民党に持ち出したもので、それまでは政治資金の問題が一番重要と言っていたのに、何だかその代わりにいきなり浮上して来た話なんですよね。そして、それ以後は維新はもう、これを通さなきゃ連立も解消するとか脅したり、もう党是というか金科玉条というか政治生命をかけてというか、絶対ゆずれないとか言ってるんですが、やるべきことの本質(政治資金規制とかその他もろもろ)はどっかに行ってしまって、行き当たりばったりの目先の石にかみつこうと必死になってるとしか見えないんですよ何となく。
ついでに言うと、私はこの維新にふりまわされているような自民も自民、首相も首相と思うんですが、その首相が断固として政治資金の件は何とかしようとはしないで、「そんなことより」と発言したのがずっと問題になってます。ただ私、もう超個人的な好みで言うと(笑)、「そんなことより」以上に好かんのがその後なんですね。
首相のこの発言は立憲の野田議員の質問への回答だったと思うんですが、その全体は「そんなことより、野田さん、定数削減、これぜひやりましょうよ、いっしょに」みたいなもので、そりゃまあ内容も内容ですが、私はそれよりもう、それ聞いた時の、その後半のなれなれしさ、お友だち風、「まあいいから飲みましょうよ」的な、これで籠絡すれば相手は落ちる、回りの雰囲気もよくなって誰もが「そーねー、固いこと言わないで仲よくやろうよね、るんるんるん」みたいな世界が作れると、ほんともう一ミリの疑いもなく信じ切ってるような、私が政治や国会に求めてることとは、あまりにもかけはなれて正反対な、そのセンス、その肌感覚に、ただもう嫌悪感しか生まれなかった。
あーこの人、こうやって人とつきあって来たんだ、世の中わたってきたんだ、それ以外の人間関係や社会のあり方って知らないんだと、棍棒でたたかれたみたいに強烈に実感しました。そりゃまあ、人は変われるし、地位は人を作るかもしれないし、絶望するのは早すぎるかもしれないけど、これはもう、ちょっと無理かもしれないなあと、しみじみ思いました。
いいんですよ別に。家族や友人関係ならそういうのでも。でも、いくら何でも公式のお仕事なら、ちょっと使い分けるぐらいのことはしてほしいじゃないですか。首相は多分、そういう世界があることさえもわかっていない。だから世界のトップと仲よくハグしてごはん食べたら、それでいい関係は作れたと思ってしまう。今回の発言だって、だから脇が甘くなった結果、「親しくなったから、少々のことは許してもらえる」と思ったからじゃないんだろうか。知らんけど。
まあいいや。
昨日の夜やっと扇風機を片づけて、ストーブをひっぱり出しました。まだ灯油は買ってません。ちょっとずつ、冬の態勢はできつつある…のかな。そうあってほしいものです。