かなしい。(カツジ猫)
きょうのよる、かいぬしが、かえってくるのを、
おにわの、かなあみのなかで、まっていたら、
かいぬしは、うえのいえに、いってしまって、
なにか、しごとをしていたのか、
ぜんぶのまどに、あかるく、でんきがついていたので、
ぼくは、さびしくて、ずっと、にゃあにゃあ、よんでいました。
よるおそくなってから、かいぬしは、かえってきて、
「まいにち、ずっと、いっしょにいるじゃないの。
よるも、いっしょに、ねているのに、
なにを、そう、しつこく、さわいでいるの。
ごきんじょにも、めいわくだし、
じぶんも、かぜをひくでしょう。
いいかげんに、しなさいよね」
と、こわいかおで、いって、
ぼくに、さわりもしないまま、しごとをはじめました。
ぼくは、こわかったので、
だまって、うしろのいすに、ねたけれど、
すごく、かなしかったです。
おなじ、へやのなかに、かいぬしがいたら、
おちついて、あんしんするから、
はやく、もどって、ほしかったのに。
「わたしは、ひとりになりたいときは、ひとりになりたいの。
そんなときに、しつこくよばれると、
にどと、かおもみたくない」と、いわれました。
こんやは、もう、いっしょに、ねてくれないのかな。