1. TOP
  2. 岬のたき火
  3. 日記
  4. かぶとむし

かぶとむし

じゅうばこさん

今日、墓の確保の手続きに必要な住民票を市役所で取って、墓苑の事務所に届けてきました。せっかくだからと、墓地を見てまわっていたら、私の墓の予定地近くにある、小さいけれど、まともそうな、きちんとした墓らしい墓の墓碑の前に、石で造ったかぶとむしがすえつけてあるのに気がつきました。
いや、前から見てはいて、かわいいなと思ってはいたんですが、だんだん気になってきて、どうして墓にこんなものがくっついているのかと。

大変りっぱなかぶとむしです。かなり大きくて、30センチぐらいの長さです。丸太ほどある、石の木の枝にとまっています。
まさか、そんな宗派もあるまいし、故人がよほどかぶとむしが好きだったのか、彫刻家か何かで、その作品なのか、見れば見るほど実に謎です。あまりに自然で、何の違和感もないのが、かえって、ただものではありません。(笑)

その付近は、私の墓地もそうですが、小さい墓が並んでいる分、若い夫婦や一人の方が建てたような、ひかえめに個性を主張している、ちょっと変わった墓が多く、見ていても楽しいのですが、かぶとむしは中でも出色です。だんだん、いいなあと思えてきて、ちょっとうらやましいです。
私の墓は、いろんな文字は入るし台座はゆきうさぎさんのご実家のまねしてピンクだし、もうとてもこれ以上遊べないのが残念ですが、でなかったら、ああいうの何かつけたくなったろう。

帰りに、その近くに小さい看板があるのに、なかなか見つけられなかった、しゃれた小さいカフェレストランをやっと発見して、うまいランチを食べました。最近、庭の草取りをしたので、庭のテーブルでお茶を飲もうと思って買おうとしていたスコーンも、ここで売っていて買えました。
今度、墓びらき?にきた帰りにでも、友人と食事しようと思っています。

昨日、うちのジャスミン(あまりはびこって往生して、やっと退治した)が石垣に這っていたと、隣家の奥さまがひとかかえ持ってきて下さいました。そのお隣の奥さまも、わけてもらって、「差したらつくわよ」と、お二人で喜んでおられるので、「あの~はびこったら手におえなくなりますよ」と申し上げておきましたが、大丈夫かな。
かわりに、うちの庭で巨大化している山椒の木の枝を切って行ってもらいました。あとで、反対側の隣家の方にもさしあげました。
で、肝心の私は、とってきた山椒の葉を台所の鉢に入れたまま、放って、外食ばかりしています。

いただいたジャスミンは、3月にヤケで自分への慰労にと買った、薄紫の美しいガラスの器にいれて居間におきました。家中にジャスミンの香りがたちこめて、十年前、これが庭中に咲いていた頃、キャラメルやミルクが元気だった頃の記憶が、強烈によみがえってきます。どこか、家の中のそのへんに、二匹がいるようで、そこはかとなく甘い哀しみがこみあげてきます。その香りの中で昨日は、自分の墓碑に入れる文字を書きました。私の名前の下に小さく、飾りのようにして、彼らの名前も入れる予定です。

Twitter Facebook
カツジ猫