がぶ飲みシクラメン
空気はまだ冷たいが、日に日に暖かくなる。
昨日あたりから、近くの森で新人らしいウグイスが、思いきり下手な声で鳴いていた。
数年前に、ほれぼれするような節回しで、歯切れよく「ホケキョ!」と最後までしめくくるやつがいたのだが、どうなったのだろうか。どこかにいるのかな。他のウグイスとは段違いで、聞けばすぐ、「おまえか」とわかったものだ。
キッチンの窓辺に載ってるシクラメンの小さい鉢は、新築祝いに行きつけのお店の人がくれたものなので、もうかれこれ十年近いのに、いつも元気でいっぱいに花をつける。
あと、枯れたと思って庭に出しておいたら、小さい葉っぱが一枚出て来て、みごとによみがえって、元のトイレの窓に戻ったシクラメンの鉢もある。これもちゃんと花を咲かせている。
数年前の猫の命日に買ってきて、庭に並べたシクラメンの鉢二つは、風呂場の窓においているのだが、これも四方に伸びまくって無茶苦茶な乱れ咲きだが、二つとも元気だ。
そして、ここのところ、どの鉢も、やけに鉢の底の水が減るのが早い。
気をつけていないと、すぐ空っぽになっている。
やっぱり春だから皆、目を覚ましてきてるのだろうか。
地域の公民館の講座をすることになって、打ち合わせに行った。
主催者の方の希望では、江戸時代の風俗や生活について話してほしいとのことだったが、私は歴史や社会史ではないので、歌舞伎の話で手を打った。
それだって、専門じゃないんだけど。
「ぬれぎぬ」の語は暗い感じだから、募集しても集まりが悪いかもしれないので、タイトルなどには使わないことにした。自治体も苦労しているなあ。
まあ、私の話では「ぬれぎぬ」でも別に暗くはならないだろうが、募集段階で拒否反応起こされたらしかたがないか。
「江戸時代は子どもが今とちがって大切にされていたようだから、そういうお話も」と頼まれたので、「いやーあの、歌舞伎は子殺しばっかなんですけど」と、つい申し上げてしまった。どうなることやら(笑)。