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がむしゃらに、しゃにむに

せっぱつまった時にはいつもやる手で、がむしゃらにしゃにむに強引に、床やテーブルに散乱していた本や資料を、とりあえず、やみくもに、紙袋に片っぱしから突っこんで、上の家に運び上げた。それで一応片づいたように見えたところで、ほこりだらけの床をはき、枯れた花を捨てて、シンクにたまった食器を洗って、一応、人の住めそうな家になったところで、お客様をお出迎え。「あれ、片づいてるじゃないですか」と言われたが、毎回こういうごまかしで、乗り切っていていいものか。

それはさておき、毎度のことだが、こうやってドロナワできれいにした家で、お客様が帰ったあと、さもきれいに暮らしているような幻想にひたって、つかの間くつろぐのは悪くない。明日からはせいぜい、上の家に運び上げた荷物を少しずつ整理して、ちびちび仕事を片づけて行くことだろうな。気が遠くなるような作業だが。

お客様というのは、実は「水の王子」の続編の「山が/空へ」の紙本と電子書籍の製作の最終段階の詰めをする、パソコン担当の方である。二人でお茶を飲み、おしゃべりしながら、Amazonへの注文をすませた。数日中には紙本の試作品が送られて来る。大丈夫とは思うが、うまくできているといいのだが。

ところで、そうやって家を片づけていたら、夏のアジサイの最後の花をドライフラワーになっちゃったまま、捨てかねて、かごに入れて飾っていたのが見つかった。面白いから、下にきれいな紙でも敷いて、もうしばらく置いとくかな。

それで、こっちは、同じアジサイでも、行きつけのお花屋さんにあった、おばけみたいに巨大なアジサイを、写真に撮らせていただいたもの。比較するものを置き忘れたので、大きさがわからないが、この一輪、実は私の顔より大きい。

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カツジ猫