ぐれんな、かいぬし(カツジ猫)
みなさん、こんばんわ
かいぬしは、むかし、このいえにとまったひとが、
おくってくれた、いきてたときの、ぼくのしゃしんが、
どれもこれも、えらくかわいいもんだから、
「ちぇっ、わたしには、こんなかお、してみせたことないくせに」
と、くやしそうにしています。
「どうして、よそのひとのまえでは、こんなかわいいめをするの。
わたしには、いつも、いじけて、ふこうそうなかおしてるのに」と、
ためいきをついています。
でも、よくみろよな。
このしゃしんの、ては、かいぬしのてだぞ。
ぶらうすに、みおぼえがあるだろうが。
たしかに、ちょくせつ、かいぬしに、こんなかおを、
めんとむかって、みせたことはないかもな。
ねこのこころは、ふくざつなのさ。

きょうは、いちにち、あめでした。
うえのおもやでくらしている、しょだいねこの、おゆきさんが、
このまえの、たびのはなしをききたいといっていたので、
あいにいって、しばらく、はなしをしました。
いなかのいえに、すんでいた、ふかふかの、しろのおおい、みけねこの、
「まだむ」さんのはなしを、おゆきさんは、ききたがりました。
「げんきにしていたかね、どんなふうだった」というので、
「あのいえに、くらしてた、たくさんのねこや、いぬにかこまれて、
たのしそうで、めを、きらきらさせてたよ。
あしどりもかるくて、わかいねこのようだった」というと、
「それはよかった。まあ、そんなにとしをとって、しんだのでもなかったからね。
きんじょの、ばかないぬが、にわにはいってきたのを、おいだそうと、
たたかって、かみころされたのさ。
けんかはつよくて、そんないぬに、まけるようなねこじゃなかったんだが。
かいぬしのおかあさんは、にわの、なつめのきのしたに、うめてくれたけど、
もう、そのなつめも、かれて、なくなったらしい。
おおきな、きだったんだけどね」と、いいました。
「あったことが、あるの」と、きくと、
「わたしが、しんだすぐあとで、なんどか、かいぬしについていって、
いなかのいえで、あったことがあるのさ。
かわや、たんぼや、ちかくのじんじゃを、
いっしょによく、さんぽしたよ。
ようきで、かしこくて、ふわふわの、びじんだった」と、いいました。
「げんきそうだったなら、よかった。
でも、あのねこを、しっている、にんげんも、いきものも、
もうほとんどいなくなったからね。
たぶん、もう、かいぬしだけじゃないの。
かいぬしがしねば、あたしもそうだが、まだむさんも、
きっと、このよから、きえるだろう。
そのまえに、なにかに、うまれかわったら、べつだが、
そんなきも、たぶん、あるまいからねえ」と、
おゆきさんは、いいました。
まだむさんが、いない、あのいえなんて、
なんだか、そうぞうできないなあ。
それにしても、おゆきさんと、まだむさんが、
ならんで、あるいているなんて、
なんだか、すごい、はくりょくだろうなあ。
どんなはなしをしたのか、ききたかったけど、
きょうは、じかんがありませんでした。
また、ききにいこうと、おもいます。
(まだむさんと、おゆきさんのはなしは、ここでも、よめます。)