これだから断捨離は(六年生の夏・1)
いやー、これだから断捨離は危ない(笑)。思わぬところに、時間をとられる落とし穴やら地雷やら。
資料や古い紙類を片づけていたら、小学校六年生の夏休みの日記が出て来た。先生の検印が押してあるから提出用に書いたものらしい。ひょっとして前にここでも紹介したかな?あらためて読むと、私の文体も精神構造も、今とほとんど変わってないのが、何だか自分で恐ろしい。進歩発展がないと言おうか、さすがに、そのころから、どんな大人よりも、将来の自分を厳しくチェックしていたのかと言おうか。もう、できあがっちゃってる感じなのよね、私という人間が(笑)。
気温も含めて、いろいろと六十五年前の田舎の夏がわかるから、毎日紹介して行ってみようかな。
7月30日 水曜 天気◯ 温度28度 起床 六時 就寝 十時五〇分
お昼前、つるさんが来て、一時から部落会があるから、お宮に来るようにと言った。六年生のてまえ、休むわけにも行かない。しかたなしに出かけた。お宮の板の間に皆が集まると、江熊のおじさんが来て、すわりなさいと言った。すわって、手で床をなでると、砂でザラザラしている。ちょっとすみっこの方に手をやると、指がまっくろけになった。そうじをしたのかしないんだかわかりゃしない。すると今度は神様に礼をするから、真左を向きなさいと来た。私は、はしの方に居たから、真左を向くと、神様の方を向かずに、庭のかしの木におじぎをする事になるのだが、命令だから合図と共に、かしの木に最敬礼しておいた。それから二、三の問題を議論しあっただけで部落会は終わった。帰りがけに、さいせん箱をのぞいたら、一円さつが一枚、ひっかかっていた。