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そんなキャラだっけ

昨日もまた、私の大嫌いな、雨が降りそうで降らない天気だった。
夕方まで待ってもさっぱり降らないので、スーパーに行く車の中で、「ばかやろう」とののしったら、帰りにぽつぽつ雨のしずくが、車の窓にあたりだした。ののしった効果があったのかと、ちょっと満足しながら帰った。
 私はいったい何と戦っているんだろう?(笑)

朝ドラ「ばけばけ」は、これでもかと言いたいぐらい武士気質を守る祖父の婿いじめを描いて、わかりやすくて悪くない。お婿さんはとうとう家を出てしまい、ヒロインが東京にさがしに行くのだが、ドラマに続く番組の冒頭で、司会者たちがドラマの感想をちょっと言い合う、いわゆる朝ドラ受けのコーナーで、華丸大吉コンビの大吉さんが、いつもの穏やかで良識的な口調で、お婿さんのことを、「見つからないといいと思う」と同情したのは、らしいようでらしくないようで笑った。華丸さんは、他に気になることがあるけど、個人的で関係ないことだからと、なかなか言わなかったのを、大吉さんと女子アナが「気になるから」と無理に言わせたら、「日本シリーズに進出できるんやろか」とホークスのことを心配していて、Yahooのコメント欄では「気になるのももっともだ」と支持する声と「関係ない話でがっかりだ」と批判する声がどちらも出ていたのも、おかしかった。

華丸さんが気になるのも実際無理がないほどに、ここ数日ホークスは日ハムに、いい試合とさえ言えないほどのボロ負けで、結局今日で決着がつく。日ハムの新庄監督は、最初から、最終戦までもつれこんだら面白いから、そうなるように神様に祈ると言っていたから、さぞかし喜んでいることだろう。
 一方のホークスでは選手会長の周東選手が、「全力で戦って、試合が終わったときにはグラウンドで立っている者がいないぐらい、がんばらないといけない」と語っていて、一瞬あんたそんなキャラだったっけと思ったが、そんなキャラだったかもしれない(笑)。明るくて一見軽くて優しくて繊細で傷つきやすいようでいて、したたかで荒々しくて激しくて冷静で、めちゃくちゃ闘争本能をたぎらせていて、そういうプレーもする人である。その人がこう言っているのだから、ファンとしては応援するしかないだろう。え、私、ファンだったっけ(笑)。

大河「べらぼう」も、ここのところ、やけなほどに面白い。状況は緊迫の一途をたどって言論弾圧も危険きわまりないのだが、その中で画策やかけひきに余念がない蔦重たちが、実にさわやかで、魅力的だ。山東京伝のうろたえぶりも、蔦重の円熟した態度も、そしてここに来て鶴屋さんのやることなすことのたたずまいが、ふるいつきたいほど役にはまって笑わせる。
 昨日はついに馬琴と北斎が登場。この二人の存在は強烈過ぎて私にはこれまでまったくイメージがなかったから、意外とさえも言えないとんでもなさに笑った。イメージがちがうという人もいるかもしれないが、とりあえずとにかく面白すぎる。

ひとつ、新しい発見。夕方の教育テレビの番組で、江戸の俳人をドラマ化していたのだが、その俳優の江戸風のしゃべりが、聞いてて、ものすごく汚かった。げんなりするほど、ただ汚くて、醜かった。ことば自体は「べらぼう」と、ほぼ同じなのに、あんなに汚く耳に入ってくるものかと驚いた。
 大河「べらぼう」で、蔦重を筆頭として皆が使う江戸のことばは、なめらかで軽やかで流れるように美しい。するする耳にすべりこみ、五感を快適にしてくれる。それだけ台詞回しがすごいのだと、今さらのように実感した。方言でもそうだろうが、使いこなせない素人にしゃべらせると、これだけ美しさを破壊するのかと、恐ろしくなったぐらいだった。

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カツジ猫