たたけばほこり
その昔、まだ大学の現職だったころ、入試の際の試験問題の校正には、本当に神経をすり減らした。私の考えでは、ああいうチェックこそAIだか人工知能とかにやってもらうべきだと思う。まあそれで鍛えられたわけでもあるまいが、他の女性研究者たちと同人誌「ガイア」を作ってたころ、私はゲラをチェックする校正作業では凄腕を発揮して、他のメンバーの原稿の誤字脱字を見つけては、電話で「うふふ、ひょっとして、ここまちがってない?」と知らせては喜んでいた。
この能力は年をとって衰えたとは思わないが、それでも、原稿はどれだけチェックしてもチェックしても、たたけばほこりというやつで、きっとまた新しい間違いが見つかる。実は少し前から自費出版の小説の第二弾「水の王子 山が」「水の王子 空へ」の校正をしているのだが、何度見直しても、間違いや見落としや気に入らないところが出て来て、へたへたになり、それでもやっとこさ、さっき最終校正をパソコン担当者に送った。達成感がないわけでもないが、何しろ本ができてみないと、まだまだ安心はできない。
「山が」も「空へ」も、一応このホームページで公開連載していたけれど、本にするとなるとまたいろいろと神経を使う作業が増える。Amazonに提出する作業をしてくれるパソコン担当者の若い人が神様もどきに有能なので、ストレスは最小限に少なくてすむのが救いだ。あちらは私がこまごまお願いをしまくるから、ストレスだらけかもしれないけど(笑)。
集中講義の方も、あとは最終レポートの提出までに何とかこぎつけて、受講生も今のところ私の八方破れのおしゃべりに、ついてきてくれているようだから、オスプレイよりはちゃんと着陸できそうな予感はするけど、油断はできない。そりゃそうと、築城かどっかで自衛隊か何かの航空ショーだか日米合同演習だかなんかそんなもんが行われていたようだけど、少し前の「むなかた九条の会」の勉強会で、どなたかが、「最近、九州が軍事化されつつある」みたいなことを発言しておられたのを思い出す。たしかに、いやな予感がする。
そんなこんなで、お手紙を出したい人たちに、誰もまだお手紙が書けていない。もーほんとーに、猫のカツジをしつけて代筆でもさせるようにできないもんだろうかと、あらぬ妄想まで働きそうだ。
幸い、水回りの方はトイレも風呂場もキッチンも、まだ何とかきれいに保てている。トイレも何とか、床にほとんどものを置かないですみそうだ。最終的には、こんな感じになった。
もちろん、その分、家の中の他の部分は荷物であふれかえっているが、これは、おいおい片づけて行く計画ができているから、わりと心は安らかだ。年末までにきれいにするという目標はとっくの昔にあきらめた。いいの。進んでいる方向はまちがってないとわかってるんだから(笑)。
ところで、自民党のパーティー券問題は、さすがにワイドショーも連日とりあげている。そして、例のへんてこな何ちゃらノートという気持ち悪い書き込みが、このニュースについては、しーんとして、コメントの一つもつけて来ないのが、もう笑えてしかたがない。申し開きも弁明もしようがないんだろうな、さすがに。
そして、これほど公然と法を破っていて説明の一つもできない集団の作り上げた予算案が、普通に国会で成立しているのが、もはやありえない奇怪な現象を見せられているようで、ああっと声をあげそうになる。グロい話で恐縮だが筒井康隆の短編「問題外科」で、生きながら面白半分に解剖されている看護婦が、自分が何をされているかに気づいたときの心境って、こういうもんじゃないかと思ってしまう。自分の腹から腸や臓器がずるずる引き出されて、ごみバケツにぽんぽん捨てられてるのに気づく、あの場面ね。日本は、私たちは、今きっと、あの看護婦さんと近い状況にある。