たんぽぽは恐いぞ
ラジオでは春の気配を見つけるとかで、いろんな人が道端のたんぽぽに心はずませているようだが、知らんってことは幸いだよ。あの花は、育ちまくるし増えまくるし根は張りまくるしで、ガーデニングの大敵だ。かわいい綿毛とかでだまくらかすけど、庭作りにはとんでもない強敵なのにさ。「ジュラシック・パーク」の映画に出てきた、キュキュキュと愛らしく鳴いては人を食い尽くす、小さい凶暴な恐竜みたいなもんだ。
ソフトバンクホークスの周東佑京選手の出身大学の樋越野球部監督が書いた本の中でも、タンポポの恐ろしさはしっかり紹介されている(笑)。
一時期、ラナンキュラスにはまって買いまくっていた私だが、ここしばらくは花かんざしを買いつづけてしまっている。ラナンキュラスに比べると地味な花だけど、昔、前庭の鉢に一株植えたら、大いに栄えて長く咲いてくれていたのを思い出すので、つい信頼が生まれて、気がつくと「昔風の庭」と名づけた、上の家の前庭の端っこに、ずらりと並べて植えていた。水仙やチューリップの芽もちびちび出て来たし、フリージアとムスカリも葉っぱが出て来ている。
例のキッチンの窓辺のシクラメンも、とうとう花が開き始めてうれしいったらない。確認したところでは、まだ花の小さいつぼみが4つある。全部咲いてくれるといいけど! あんまり注目すると、花の方もはにかむかグレるかして引かれそうだから、なるべく知らん顔をして、毎日横目でこっそり見ている。
こんなにいいかげんでいいのかと思うぐらい、手軽な文庫本を山ほど買っているので、ちょっと仕事や家事に疲れるとベッドに転がって、一冊二冊一気に読みとばしている。今夜は、多分不幸な恋人が病気で死んじゃうみたいな小説を読み上げる予定。闘病記とか介護話とか、子どものころから大嫌いで、近づかないようにしていたのに、最近は平気で楽しんでいるのは、やっぱり最近の若い作家がうまいんだろうな。悲しい話だけど、そこに甘えてないし、ちゃんと楽しませてくれる。不幸や悲劇に頼っていない。
えー、もうこんな時間か。夕ご飯を早くすませないと。おかずは一応タッパーにいくつかあるけど、それとは別に、あの生ガキをどうやって食べよう。カキはカキでも、早く食べろと注意書きをつけてスーパーで安売りしていた柿も、早く食べてしまわなくてはいけないし、うーん、あせる。