だから太陽光発電に力入れとけばよかったんだよなあ

◎誰もが言っていることを、あらためて言いたくはないが、この暑さにはうんざりする。というか、ほとんど恐怖を感じてしまう。
何日か前、バスに乗っていて、いつものように本を読んでいたら、もろに頭がくらくらした。不眠つづきだったし酔ったのかと思って、読むのをやめて寝ていたが、下りてからもずっと気分が悪く、これが世に言う熱中症かと、急いでそのへんのレストランに入って、とりあえず水を飲んでフレンチトーストなど食べて、一応しのいだが、それ以来ずっと体調が冴えない。

こうなったらしかたがないとエアコンを入れたら、さすがに快適だ。しかし、もし震災以来、政府と企業と財界が、人類としてまともなすばやい判断をして、太陽光や風力発電に切り替えていたなら、このエアコンの冷風も、どれだけ快適だったろうに。
「原発の電力でないと思うだけ、ましなんじゃない？」と前向きなことを言う友人もいるが、しかし、この連日の熱波を感じるにつけ、これをエネルギーとして使っていたら、絶対に原発よりも有効だろう、もったいないと思っては、ますます腹が立つのだ。

◎初代猫おゆきさんの命日も無事に終わったので、（指折り数えると、彼女が死んで数年後に故キャラメルが来たのであるから、私は毎年、この八月の初めに花を飾り缶詰めを供えて、もう２５年近いのだ。いくら何でもそろそろもっと簡素にするか、盆に命日をまとめるかしないと、猫と犬の命日だけで、一年中カレンダーが埋まってしまいそうだ）、いよいよ仕事に励もうと思ったとたん、校正に必要な紀行の原本のコピーがどこをさがしても見つからない。この前からこんなことの繰り返しで、もういいかげん、いやになった。

探しながら家中の資料を片付けて行けば、それもそれで家がきれいになるから悪くないのだが、どうも、この資料はゆきうさぎさんの実家の書庫に預かってもらっている分の本の中にまぎれこんでいそうな、ひじょ～に悪い予感がしている。
それだって、避暑かたがた、彼女の家にお邪魔して探してもいいのだが、あちらの書庫にはエアコンがなく、こんな状態で作業をしていたら、倒れて死ぬのはまだしも、誰にも発見されないまま、今近くの美術館で公開中のマチュピチュのミイラもどきになってしまうだろうからなあ。

◎カツジ猫が庭で敷石の上にするうんちも、あっという間に乾いてからからになる。片付けやすくてよろしいが、それよりカツジや、焼けて熱くなった敷石の上でうんちをして、肉球やお尻はやけどしないのかい。
こいつの生存本能の稀薄なのはあいもかわらずで、私がエアコンをつけると、その下で寝るのはいいとして、切って買い物に出た後も、そのままそこで寝ていて、むしぶろのような中で長くなっている。庭は風通しがよくて、かなり涼しいのに、まったく生きる能力の乏しい猫としか言いようがない。

カツジとちがってたくましい、きゅうりの苗は、この熱波の中でもしぶとく育ち、蔓をぐんぐんのばしている。台所の入り口の網戸にすきさえあればからみつこうとするので、洗濯ひもの方に誘導したら、何とかそっちに伸び始めた。小さいきゅうりがたくさん出来かけているので、しばらくは野菜を買わないですみそうだ。