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だから私は言ったのさ

忙しいからちゃんと全部は見ていないのだが、女性差別についてのいろんな発言があっているようで、ツイッターの方に上げてますから、ごらんになっておいて下さい。

その中で、目についたのが、この発言。NHKの何かの番組で、障害者の男性が、女性に対して「差別をしないというなら俺とセックスできるか」と聞いたというもの。

「障害者差別しないならおれとセックスできるか」というのは、相手の女性が健常者でさえあれば他に条件一切なしで男性全員とセックスしていなければ成立しないと思うが...
そんな女性いる?(Kumiko)

NHKの番組で障害者男性が『差別をしないというなら俺とセックスできるか』と女性に訊ねるものがあったという話を見かけて、怒りを覚えました。

これ、男女逆だと絶対に成立しないんです。健常者男性にレイプされる障害者女性の存在がありますから。

『差別しないならセックスできるか』と問える人と、『差別しないならレイプしないでくれ』と訴えなければならない人の差、これが性差別です。
『生っちょろい』のはいったい誰なのか。(けいた)

などと、いろんな人が怒っていますが、まあそれはどれもその通りなんですが、私はそんなことよりも数百歩手前で、こういうことを聞く、思いつく、感覚の人というのが、女性とか男性とか障害者とか何とか言うのと関係なく、もう根本的に私とは、感覚のねじがどっかでちがってる人だとしか思えない。

「私のために戦うな」という本の冒頭(4ページ)で、私はこう書きました。

授業をしている時、学生たちによくこう言った。
「もしも、あなた方のどなたかが私を『ホテルに行こう』と誘ったとする。そして私が断ったとする。そのときにあなたがたは、自分が私の教え子だから、学生だから、年下だから、断られたのだと思ってはいけません。女だから、男だから、妻や夫がいるから、断られたと思ってもいけません。外国人だから、障害者だから、特定の地域の出身だから、特定の職業だから、背が高いから低いから、美しいから醜いから、金持ちだから貧しいから断られたと思ってもいけません。そして、私が別の人とホテルに行った時に、『自分と同じ女なのに』『自分と同じ年下なのに』などと文句を言わないように。私から断られたのは、ただ、あなたが、あなただったからだと、考えなさい」

こんな単純明快な文章を、まるで象の皮膚みたいにまったくどういう意味か感じ取れなかったらしい読者や、この文章をもとに私がどういうカテゴリーの人間か分類分析しようとごく普通にやってしまう読者や、しょうもない人もいっぱいいたから、先のような問いかけをする障害者の男性がいたってあきれちゃいけないのかもしれない。でも、それにしても、「障害者を差別しないなら自分とセックスできるか」という問いかけの突っ込みどころの多さは、ほとんど笑いころげたくなる水準じゃなかろうか。何かが、どこかが、決定的にすっぽぬけている。

私なら「いや、あなたは障害者というだけで、私の好む、寝たくなる相手と、そうじゃない相手を全部同じに扱うんですか。それって、それこそ差別と言いませんか。そして私は頭が二つあろうと目が三つあろうと、寝たくなる人はいるだろうし、いくらでも寝ますが、そのような質問をしてしまうような考え方のあなたのような人とは、障害者だろうとそうでなかろうと、セックスする気持ちはまったく生まれません」としか答えられないだろうね。

そっか、私、「動物登場」の中の「禁断の愛」でも、このことについて触れていたっけ。よろしかったら、そちらもどうぞ、お読み下さい。

水仙が終わった庭に、今はスノードロップが咲き乱れています。今日は大学生協に注文していた本を取りに行ったら、卒業式で入れず空振り。強行突破もできたかしれないけど、そんなに無理することでもないから引き返した。冬物の服を山ほどクリーニングに出し、猫のカツジを病院に連れて行って、マイクロチップを入れてもらう。簡単そのもので、カツジもけろりとしている。というわけで、まあ、今日の成果は二勝一敗ってところかな。

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カツジ猫