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つつましく。

◇例年クリスマスには、上の家と下の家に、かなり大きいクリスマスツリーを飾っていた。もともとは田舎の家の母家と母の家に飾っていたものだ。それぞれに、専用の鉢までつけてやっていたのだが、去年母の亡くなったあとで、二つとも母が最期を迎えた施設にさしあげてしまった。母がクリスマスに帰るか立ち寄るかしたときに、見たら喜びそうな気がしたし、私自身の今の家には、小さいのがいくつかある。
今朝クローゼットから、その小さいツリーを出して、つつましく置き床に置いた。これはたしか、この家を建てて最初のクリスマスに、飾るツリーがなくて、とっさに大急ぎで街で適当に買ったものだった。鉢もないので、適当な素焼きのやつを買うか、庭に転がっていないか、さがしてみよう。

◇ところで古い話になるが、先週の土曜の日本シリーズは、仕事にかまけていて気づいたら11時半過ぎていた。おやおやこれではもう試合はおろか、もし優勝が決まっていたら祝勝会も終わったころだろうと思いながらパソコンをつけたら、たった今試合終了になったばかりで、どうなってるんだ何をしているんだと唖然とした。逆転逆転の11回の延長戦でサファテが3イニング投げてホークスが勝利したということで、野球好きだった母が見ていたら、さぞかし興奮したことだろう(笑)。

2ちゃんねるのプロ野球スレッドのコメントで、広島や楽天に対して、津波や原爆にまつわる目をおおうような汚らわしい悪口が書きこまれるのに、猫に熱湯浴びせて殺す犯人と同様の信じられないものを見る思いでいたのだが(当然そういう書きこみに対する批判もあるわけだが、その中で「こんなこと言うやつは在日」みたいな発言もあって、もう何がどうなっているのよと頭をかかえた後で、そうかなるほど、日本人なら同胞の被爆や被災は攻撃ネタにするはずないという流れの発想か、アホでくだらないなりに理屈は一応通っているのだなと、妙に納得したりして、どっちにしても頭痛いと言う他ない)、ホークスとベイスターズ関係のコメントにはわりとほとんど、そういうのがなく、それなりにマナーやルールを守ったやりとりが多かったのは快適だった。

http://blog.livedoor.jp/hawksmatome/archives/51038461.html

これなんて他愛もない内容だし、選手の名前を知らない人には面白くも何ともないだろうけど(私も知らない人が多い)、ずっと下の方の最後のコメントまで、罪がない分、読んでいて気持ちがいいです。

あと、サファテが延長の最後まで3イニング投げて皆を興奮させてますが、その結果のサヨナラ勝利の瞬間に、ブルペンで待機していたホークスのピッチャー3人の喜びようがやっぱり笑えました。

http://blog.livedoor.jp/hawksmatome/archives/51046839.html

でも初めて見たけど、ブルペンてこんなところなのか。「グラディエーター」の映画なんかに出てくる、コロセウムの地下みたいだな。トラやなんかと戦わせられるために引き出される前に待機してるって点では、ある意味同じようなもんだけど(笑)。

ベイスターズの倉本やホークスの今宮が話題になってるのを見ていると、母が昔よく「一番華やかでカッコいいのはショート」と言って、阪神の吉田義男に熱を上げてたのを思い出しました。「一番大事なのはキャッチャー」ともよく言ってましたけど。

◇ここ数日、このブログへの書きこみがとどこおるのは、カツジ猫が何をいったいとち狂ったのか、寝る場所はいっぱいあるのに、パソコンの前の私の椅子が突然好きになったらしく、さあひと仕事と思って行ってみると、いつもその椅子に、しっぽをたらして丸くなって熟睡していやがるのです。
同じ椅子が隣にあるし、抱えて移せばすむのですが、つい、手を汚さないで(笑)移動させてやろうと、高等戦術を思いつき、ベッドで寝ころがって本を読んでいると、果してやつは、しばらくすると、のそのそやって来てそばに長くなります。

やったざまみろだまされたなと快哉を叫ぶついでに、私も結局眠くなってそのまま寝てしまうというお粗末な展開に。あーあもう。

そんな時に読むための他愛もない文庫本を何冊かそのへんに置いてるのですが、重松清「ブランケット・キャッツ」は何だかひどく気持ちが悪かった。出てくる猫がどれもこれも、まるで全然かけらも猫らしくない。姿もしぐさも発想?も。アイボ(あれは犬か)みたいで、すごく無気味。そう思って見ると登場する人間たちも、皆ひどく嘘っぽい。この作者はいつもこんなにひどいわけではない気がするんだけど、これはもう一刻も早く手元から遠ざけてしまいたいほどの嫌悪感と拒否感を味わいました。たまたま同じ猫ものなら、アホらしいしとんでもないけど、高橋由太「黒猫王子の喫茶店」の方がずっとまし。というか、これすごくいい。猫の本質がものすごくよくわかってる。その哲学も非常に納得。事実かどうかはわからないけど、猫というものの与えるイメージを深く正確に把握して、その上で軽い調子のいいバカ話にしてるのが、ほんと最高。人間の常識と異質な猫の生き方を、猫じゃないかと思うほどの自然な確信をこめて描きつつ、それが人間の生き方死に方暮らし方を考えさせるのまで、すべてすごい。

あ、ただし、「ブランケット・キャッツ」のひどさに肌に粟を生じながら読んだ分、「黒猫王子」はひょっとしたら、ほっとしすぎて救われ過ぎて、点が甘くなってるかもしれない。でもやっぱ、いいよ。出てくる猫が皆超生意気で、最後に近く一匹が「おれを飼わせてやるぞ。いっしょに寝ていいぞ。抱かせてやる」みたいなことを言うのなんか吹き出しました。猫が言いそうだし、男がこういうこと言っても素敵だわあ(笑)。

◇トランプとアベの悪口とかも書きたかったけど、また夜にでも。カツジ猫が椅子を占領してなかったらね。

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カツジ猫