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つづきを書こうとしていたら。

海外ドラマの「プライヴェート・プラクティス」を見たあとで、そのまんま寝てしまいました。あのドラマ面白いんですけど、最近とみに重厚かつ深刻かつ陰々滅滅になってきて、視聴率大丈夫なんかいと、こっちが心配になる。
まーでも、基本路線が超がつくほど人道的でまっとうだもんなー。
キャラママさんにもらった有川浩の「阪急電車」を読んだけど、これってたしかに、やってみたいスカッとする話ではあるけど(メインの復讐劇)、でもやっぱりその実は人間として品性に欠ける下品な行動だよなー、ヒロインが美人でカッコよくほどよくスマートにやるから、やっていいことのように思わせてしまうけど、これは人間としてしちゃいかん、いやしい復讐ですよ。映画化されるらしいけど、主演は中谷美紀で、私は彼女の名を中山美穂とごっちゃにする程度の人間ですが(笑)、「電車男」以来わりと好きな女優なので、この役を彼女がやるのかと思うと悲しいよ。
それに比べりゃ「プラヴェート・プラクティス」は猟奇的に見えても、健康的で堂々として、真の意味での勝者、強者のあるべき姿をきっちり提示してるもんなー。

あ、また話がそれたわいな。
ユーゴのことなんですけど、あそこのサラエボでむかーし冬季オリンピックがあって、その後また10年ぐらいしてその紛争か戦争のまっただなかかちょっと後かに、再度冬季オリンピックがサラエボで開催されたんですよね、たしか。
私はその時、フィギュアの男女ペアかアイスダンスをぼやっと見てたら、かなりベテランの男女のペアが登場して「花はどこに行った」かなんかそういう曲で滑ったんですが、けっこうミスして、それを男性アナウンサーが「往年の力はありませんね」とか「これでは上位は無理ですね」とか、まあそういうごくまっとうで普通の批評をしたんですよ。
そうしたら、女性の解説者が何かもうすごく言いたいことを抑えてるような思いつめたような口調で、「この曲は前のここでのオリンピックでこの二人が(優勝したのかメダルをとったんだったっけ)滑ったそれと同じ曲で、あの頃の平和がまたよみがえることを祈って訴えようとしたんだと思う、すばらしい演技と思う」みたいなコメントをしたの。

私は、その男性アナウンサーなみに何も知らず何も感じてなくて、そのコメント聞いても、へー、そーか、なんかあるんだねと思ったぐらいでした。だって、ユーゴ紛争もサラエボの悲劇もほぼまったく知らなかったもん。

マスコミが例によって大して騒ぎもしなかったし、細かい報道もしなかったのもあるんでしょうけど、だいたい、あそこがあんなになったのは、ソ連が崩壊して、それまでのいろんな縛りがなくなって民族紛争が噴き出した、みたいな感じなんだよね、多分。

私は何だかだって、社会主義国にもソ連にももっとがんばってほしかったから、崩壊したのは悲しかったけど、またそれ以上に、そうやって外部からの圧力がなくなって自由になって解放されたことが、幸福ではなく、そういう悲劇につながったっててんまつが、また限りなくイヤでした。当事者の人たちには、それどころじゃない失礼な感想なんだけど。

あ、でも実際そういうこともあったんじゃないのかな。ソ連の崩壊、共産主義の敗北がイヤだった人にとっては、私みたいに、それから派生した出来ごとなんてもう知るか見たくもない状態だったろうし、その一方で、社会主義の敗北、ソ連の崩壊が歴史の勝利でバンザイと歓迎した人にもまた、その解放と進歩の結果、東欧であんな悲劇が起ったというのは、どういうか、お話としちゃ喜ばしい展開じゃないわけですよ。正義が勝って悪が負けて、皆幸福になりましたみたいな流れじゃないから、わかりにくいし、うっとうしい。

だもんで、どっちの側の人もつい目をそむけて、見ないで考えないでその内なんとかなるだろう、なってくれるだろうと思ってた間に、ことはどんどん悪化した、って、この私の解釈まちがってますかね?

あ、こうしちゃいられない、朝ごはんを食べて来よう。

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カツジ猫