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どっちに行くんだろう?

防衛費が増えたり、何だかうっとうしい、きなくさい雰囲気の中で、とうとう「国のために命を捧げるのは悪いことじゃない」みたいな発言がちらほら出始めた。ロシアはもちろんあのウクライナでさえ、戦争に行くのはいやだ、死ぬのはいやだ、という声が起こっているというのに、まったく何ということだろう。

食い物の話とともに最近のテレビが大好きなのは、「外国人が日本の桜やアニメや食べ物や社会を礼賛し、夢中になってる」という映像や特集で、まあ話半分以下に聞いても、そりゃ円安だし、人気はそれなりにあるんだろうね。

でも多分、世界で日本が魅力的な理由の相当に大きいのは、「戦争をしてない」「上から爆弾が降って来ない」「治安が安定している」「テロがない」ってことじゃないかと思うんですよ。それは戦後と平和憲法の作り上げたもので、世界の人気者になって観光地として生き残ろうと思ったら、そこのところをまずは点検してほしい。

原発関係の施設だって、佐賀県の旅館関係の人らが「核のゴミ捨て場」を作りたいという請願書を出したらしいけど、万一事故でも起こってホテルも旅館も産業もすべてわやになる可能性のあるリスクを、どれだけ考えておられるんだろう。

まあそういう中で「国のために死ね」みたいな発言がちらほら出ると本当に大丈夫かいなと思うわけですけど、またしても唐突に話題が横滑りしてぶっとびますが、プロ野球関係の記事を見てると、最近かなり好調でチームに貢献していたソフトバンクホークスの周東佑京選手が「家庭の事情」とかで試合を休んでいるのに対し、こっちがびっくりするほどに、あの口やかましいプロ野球ファンが、敵も味方も「何があったかプライベートな詮索はするな」「この際だからゆっくり休んでほしい」(まあ敵はそう言うかもしれない。笑)「チームのために家庭や自分を犠牲にするというのは、やめてほしい。そういうのを美談にするのは時代遅れ」みたいなコメントばっかりで、批判も反感も本当にひとつもない。もしかしたら周東選手自体の人柄とかもあるんだろうけど、それにしたってこういう感覚が私の知らん間にこれだけ定着しているのなら、チームや組織や団体や会社や国への滅私奉公は、よくようもう底辺(どこが底辺かもよくわからないが)では駆逐されかけてるんだろうか。

まあ家族第一の米国の野球選手たちの影響も大きいようで、その国は戦争も軍隊も肯定しまくりなんだから、これも何とも言えないところがあるけども。

どっちの方向に向かって、世界は、日本は動くんだろう? 何が築き上げられ、何が崩されようとしているんだろう?

もっともまたついでに口が滑って究極の無駄話をすると、私は周東選手が若手で新人でちょっと人気が出始めたころ、他の若手とちがって妙に気になって、記事を追いかけていました。今ではあまりに人気が出て有名になりすぎて、もうそれほどではありませんけど。

何でそんなに気になったかというと、この人はものすごい活躍とものすごい失敗が交互に出て、そのたびに、もちあげようとしたマスメディアや、多分ファンになりかけた人たちが、ずっこけて、おいて行かれるのが、悪趣味ですが、おかしくってしょうがなかった。もちろんご本人が必死の努力をして限界突破するからそうなるんでしょうが、この安定した安定性のなさ(笑)は、いっそもう芸術的でもありました。(阪神ファンの気持ちとはまた一線を画すと思うの。あのチームのあり方は、むしろ一定してるし、安定してるもの)スイッチバックの列車というか、三歩進んで二歩下がるというか。華やかと思うとエラーして涙し、好調かと思うと不調で消える、そしてまた前以上に立派になって戻ってくる、この振幅の大きさは、ちょっと他に例がなく、理由はいろいろあるにせよ、ほんとにファン泣かせ、報道泣かせだろうなと思っていました。

今回もまた、えらく派手な活躍をしていたと思ったら、「身内の問題」「家庭の事情」で、すっと消えてしまって、「そう来たか。それは初めてだな」などと無責任なことをつい思いながら、ニュース欄に数日前の大活躍の記事が目白押しになって、ちょっと時期遅れになってるのを見て、つくづくデジャブを感じました。

もちろんご本人には深刻な事情かもしれないし、これまでもいつもそうだったのでしょうが、「だんだん振幅が大きくなってやしないか。どこまで行くんだ」と気になったりして、まあ「何があっても応援する。ファンをやめない」という人だけが、きっとついて行けるんでしょう。

私の親友で、さっぱり趣味も生き方もちがう人が何十年も前の大学生時代、「私は精神が不安定になるのが嫌。だからジャイアンツのファン」と言ってて、私はひそかに、そんな生き方どこが面白いんだろうと思ったものでしたが、そういう人には向いてませんね、こういう選手は(笑)。

何しろきっとまた無事で戻ってきて、前以上の活躍をすることを心から祈っています。

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カツジ猫