どろどろまっくろすっからかん
片づけ中の荷物の中から、多分、昔学生がくれたのじゃないかと思うぬいぐるみのカエルが出て来た。しかし、記憶をたどってみると、自分で買ったような気がしないでもない。知り合いのお子さんに上げようかと思っていたのだが、もうちょっと手元において、せめては素性を思い出したいかな(笑)。
猫のカツジにくっつけてみたら、案外恐がらなかった。
東京都知事選はもちろん蓮舫さんに勝ってほしいけど、仮に結果がどうなろうと、これだけ都政の腐敗と暗黒がさらけ出されたことだけでも、うっとうしいけど、大きな成果かもしれない。ちらちら耳にし目にするだけでも、ろくな都政ではないと感じてはいたけれど、これほどひどいとは思わなかった。企業との癒着、公約の無視などもさることながら、都議会で気に入らない議員には答えず排除するようなかたちが定着しているのは、本当に肌に粟を生ずる。
それがデマとか虚報とか言ったって、そもそもこの選挙運動の中での小池都知事のすることなすことが、すべて、そういう情報と一致しているからなあ。絶対に都合の悪い質問には答えない、そもそも討論会に死んでも出て来ない、公務とか言って出て来ないで、その公務とはプロレスのイベントに出かけて、レスラーといちゃつくこととか、プロレスにだって失礼だろうが。先日は川に浮かべた船の上から演説してたが、よくよく市民と向き合ったり近づいたりするのがいやなんだとしか思えない。それはまた、応援を公言してる萩生田をはじめとした、自公政権の姿勢と、すべて、あまりにも、うり二つだ。
魚は頭から腐ると言うが、これほど都政が腐っているとはさすがに予想もしてなかった。どろどろまっくろすっからかんとでも言おうか、これでよく国がもっている。危機的状況もすごすぎる。結果がどうなろうととか、うっかり書いたけど、まだこの都政が続くようなら、どうなるか考えただけで恐ろしい。
昨日予告した「忘却バッテリー」のコミックの件だけど、そもそもは、でれっと深夜番組を見ていて(私の地域では火曜の深夜)、アニメの最初の方をちらっと見て、何だか型破りなのと型通りなのとがごっちゃになってるような変な様子に興味がわいたのね。そうしたら近くの本屋で、ずらっと新刊のコミックが並んでて、試しに二巻まで買ったら悪くなく、次の日、並んでる全巻を十七巻まで買っちゃった。十一~十四巻がなかったんで取り寄せてもらおうとしたら、人気商品でなかなか問屋にないとか言われて、これはヤバいと帰ってすぐAmazonで抜けてた分をゲットして、手元の分を一気読みした。
抜けてる部分が届くのが待てず、十五巻から続けて読んだが、藁人形作って天才たちを恨んでる選手が登場したとき、不覚と思いながら、のたうち回ってベッドの上で笑ってしまった。最初から突飛すぎる設定のオンパレードで、この先どうする気なのか、いろんな点で心配にならないでもないが、そんなことより、いろいろと新鮮すぎて、王道を利用しながら、その枠にはまらないのが、退屈しない。
野球に関する細かい知識をうまく解説してくれるのもなかなかだが、何よりこれは野球でも何でもいいけど、天才やエリートや脱落者や敗北者や勝ち組負け組格差について、実に細かく考察しているのがポイントだ。最高の勝者と最低の敗北者と、その間のあらゆる段階の(つまりほぼ全人類のすべて)人間のすべてが、どこかに自分をあてはめて、共感し感情移入し、あげくのはてに、そんな自分を登場人物と重ねて、「バーカ」と笑っていたわって、認めてやれる構成になっている。
サッカーでもバスケットでもバレーでもなく、ある意味手垢のついたような野球漫画という、誰にもおなじみの古めかしい題材を使って、それこそ他のスポーツでも学問でも政治でも企業戦士でも恋愛でも人生でも、すべてに共通するような勝ち負けや優劣について書きまくり、あらゆる人の心をくすぐるのが、心憎い。
そして、よくある「永遠のライバル」や「ラスボス」が登場せず、最悪の敵と思った存在がわりとすぐ、いい人になって姿を消す、この作り方もすごく珍しい。どんな恨みも悪もへらへらと相対化され、状況は刻々変化して行く、このダイナミックな柔軟さも、読んでいてとても救いになる。
まあ、しばらくは楽しめそう。