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はげたか

少し前、毎日雨が降りそうで降らず、水まきをするべきかどうか、迷う日が続いてた。ぱらぱらっと雨が落ちては、すぐかんかん照りになる空を仰いでは、「こけおどし」「嘘つき」「見掛け倒し」「だましやがって」などなどなど、思いっきりののしっていた(笑)。

したらば、その悪口を天が聞きとどけたのか、一昨日から午後になると、底が抜けたような土砂降りが続き、買い物から帰っても、車から玄関に行くまでにびしょぬれになりそうで、車内でしばらく待機しなくちゃならないほど、滝のような雨が降り注いだ。「やればできるじゃん」とつぶやきながら、ありがたく水まきをさぼっている。時間とパワーを節約できたので、雨の合間に、のびすぎて倒れそうだったヒマワリに急ごしらえの支柱をたてて、いつ台風が来てもいいようにした。まだまだやりたい庭仕事があるが、少しずつ片づける。

朝顔とガーベラも、この雨の中、なかなかがんばっている。

中国に和歌山県がホタテをどっさり輸出してたなんて知らなかった。そんなに重要な購買先なら、いくら何でも、「汚染水」を流す前に、もうちょっと対策を考えておくべきだったんだろうに。そして対抗手段として、国内でホタテを食べようとか、何でもうそういう付け焼き刃の焼け石に水の精神論で乗り切ろうとするのかと、うんざりする。転ばぬ先の杖とかいうことわざは、自公政権には死語なのだろうか。

そんなこと言われなくても、実はホタテが好きなので、ときどき高くても清水の舞台から飛び降りるつもりで買っていた。もしかして少しは安くなってないかと、思わず期待してスーパーの売場をのぞいてしまう自分が、漁民の不幸に乗じるハゲタカみたいで、気がとがめる。特に安くもなってないのに、がっかりするのか、ほっとするのか、自分でもよくわからない。

こんなに一介の後期高齢者が心乱れているというのに、ニュースで岸田首相がまたしても無神経な顔で、シャインマスカットを食って舌鼓を打っていた。他によっぽど報道する成果がないのか知らないが、本当にものをよく食う首相だと、こっちの食欲までなくなりそうだ。いったい、これまで報道されなかっただけで、歴代の首相もこんなペースで、献上されるごちそうを日々食いまくっていたんだろうかと、それも疑いたくなる。

ちびちび楽しんでいた、『オリーヴ・キタリッジの生活』を読み上げた。とたんにまた最初から読み直したくなる。平凡な田舎町の日常と歴史が、ほのぼの、ひりひりするようなリアルさで、時に鬼気迫るほどの苦しさと切なさで伝わって来る。ヒロインの気持ちの乱高下が、時々、ひとごとと思えない。
 『緋文字』も読了。まったく記憶に残ってなかった、幼い娘のパールの天使か悪魔かわからない子どもらしさが魅力的だった。

一方でネットで無料で読める、しょうもないコミックにもはまりそうで恐い。「ヤンデレ魔法使いは石像の乙女しか愛せない」なんて、ついに原作?の小説版の文庫本を買ってしまった。これに限らないのだが、この手のかわいい少女漫画風コミックの性描写はこのごろものすごく過激で、しかもそれがちゃんと筋にはまっていて、甲を脱ぐ。しかも、特にこの作品なんて、純文学なみの水準で、世界観も哲学もしっかりしていて、「一粒で二度おいしい」しかけもみごとで、笑いながらも実にもう、うなってしまう。立派なものだ。

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カツジ猫