ばてばてばて~
朝から玄関や車にしめ縄くっつけたり(風がひどかったら落ちるかもしれん。笑)、買い物に行って、多分庭の隅に生えてたと思うウラジロもつい買っちゃったり、なかなかなかった串刺しの干し柿をやっと見つけてゲットしたり、お屠蘇を買い忘れてスーパーで聞いたら扱ってないけど、多分薬屋さんにと言われて薬屋に飛び込んだり、小さな葉牡丹の株が安売りしてあったのをつい買っちゃったり、お客も来ない一人暮らしのトシヨリが何してんだと思いつつ、西鶴の世間胸算用の中の、新年の準備をきちんとするお妾さんのことも思ったりして、夕方帰宅したら、もうバテバテ。あとまだお鏡餅を飾らなきゃなんだけど、これは30日にやることにしよう。たしか、30日は支度してよかったはずだもん。
ふー。とベッドに倒れこんだけど、しょうもないテレビもちょっと見たいし、買ったままにしてる「ソルジャー・ブルー」のDVDも何だか見たいし、友人が貸してくれてる「フランバーズ家の人々」の四巻五巻も読んでしまいたいし(友人はマークが大嫌いだって。私はそうでもないかなあ)、自分の小説も書きたいし、「安倍晋三の正体」も読みたいし、ネギと牛肉も炒めたいし、お味噌汁も作りたいし、カツジ猫にブラシもかけたいし、研究会の準備もしたいし、もう本当にどうすりゃいいの。
柿澤議員が逮捕された。アベ政治の実態が、どこまで暴かれるのだろう。そして私たちは立ち直れるのだろうか。
「水の王子」という一見何の関係もないファンタジー小説を書きながら、私は絶望と希望の入り乱れる世界の中でどう生きるかを自分に問いかけつづけている。歴史や真実に目を向けきれなかった人たちの、それぞれの贖罪を。ゆがみ、崩れて行く世界の中で、自分を守ろうとする人たちの運命を。これを書くことが何になるのだろうと思いつつ、何かの救いを見出そうとしている。
何の小説だったか、もう忘れた。堀田善衛だったかしらちがったかしら。軍国主義化の弾圧の中、何もできない女性が、押し入れの中に地図を張り、連合軍のつまり日本の敵軍の勝利して行く様子をひそかに旗を立てて心を支えている場面があった。今の日本と私は、それほどまでにはまだ追い詰められていないのかもしれないけど、この救いのない世界と日本の状況の中、一応普通に生きながら、こうやってひそかに書く小説の中で、何かを探り求めながら自分を支えようとしているのは、同じことかもしれない。
今この小説を書くことは、私の祈りだ。戦いだ。押し入れの中の地図に挿す旗だ。