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ぼくたちの、おつきみ(カツジ猫)

みなさん、こんばんわ

きのうは、めいげつだったらしくて、
おおきなつきがでていました。
 かいぬしは、「あとで、にわにでて、ゆっくりみよう」
といっていたのに、ごはんをたべると、ばてたのか、
ふくをきたまま、はもみがかずに、
べっどのうえで、ねてしまいました。

ぼくと、きゃらめるさんと、あにゃんさんは、
しょうがないから、いきていたときのように、
かいぬしのよこで、ならんでねて、
つきにてらされて、あかるいにわをみていました。

きゃらめるさんは、「おれはいきていたあいだ、
いつも、にわや、ちかくのもりをあるいていたから、
つきなんか、いろんなかたちのを、いっぱいみた」と、
つめを、かんで、みがきながら、いっていました。

あにゃんさんは、しんでからも、ずっとかいぬしの、
いえのなかの、といれにすんでいたから、
つきは、ちゃんとみたことがないそうです。
 ぼくは、かいぬしが、つくってくれた、
かなあみでかこんだ、おにわのなかで、
かいぬしのかえりをまっていたとき、
ときどき、つきをみました。
 いろいろ、かたちがかわるから、
さいしょ、おなじものと、おもっていませんでした。

つめみたいなかたちのがあって、かいぬしは、
「ねこつめのよる」という、えほんがあるんだよと、
ぼくにおしえてくれました。

かいぬしは、よがあけるころに、やっとおきて、
「しまった、つきをみのがしたか。
らいねんは、みられるかどうか、このとしになると、わからないのに」
といいながら、はをみがきにいきました。
 ぼくも、ついていきました。

かいぬしは、まどから、そとをみて、
「やや、あのもりの、きのむこうにひかっているのは、
もしや、つきでは」といって、
「すまほ」をもって、そとにでながら、ふりかえって、
「あんたたちも、くるかい」といいました。

「あれ、ぼくたちが、みえてるのかな」とぼくがいうと、
「ぐうぜんだろ」と、きゃらめるさんは、あくびをして、
「まあ、つきあってやるか」といって、ぼくたちは、
さんにんとも、かいぬしについて、そとにでました。

まだ、よるは、あけていなくて、あたりはくらかったけど、
みちの、あちこちに、あかりがついてたし、
けっこう、でんきがついて、もうひとがおきているらしいいえとかもあって、
そんなに、まっくらではありませんでした。
 「つきはどこかな。あっちかな」といって、かいぬしは、
どんどん、だれもいないみちをあるいていきました。
 だれかにおそわれたら、どうするんだろうとおもったけど、
まあしんだら、また、ぼくたちもみえるようになって、
いっしょに、あるけるからいいのかとおもって、
ぼくは、かいぬしのそばを、ついていきました。

すこしいくと、あきちのむこうに、
おおきなつきが、ぴかぴかひかっていて、かいぬしは、
「ううん、はいけいが、いまいちだな。
もりが、あると、よかったのに」とかいいながら、
もってきた「すまほ」で、しゃしんをとりました。
 かえりに、とてもあかるいみちがあって、かいぬしは、
「これはこれで、おもしろいかもね」といって、
またしゃしんをとりました。

だれもいない、みちのうえの、じぶんのかげをとって、
「うわあ、かいじんみたい」とよろこんでいました。
 ぼくたちのかげがうつらないかと、しんぱいしたけど、
だいじょうぶだったみたいです。

いえのちかくまで、もどったとき、うしろから、
あしおとがちかづいてきました。
 きゃらめるさんは、うれしそうに、
「わるいやつだったら、とびついて、ひっかいてやるぞ。
てつだえよ」といいました。
 そんなことできるのかとおもったけど、
ちょっとどきどきして、かいぬしのあしに、くっついてあるいていると、
かいちゅうでんとうをもって、めがねをかけたおじさんが、
ぼくたちを、みもしないで、おいぬいていきました。
 「なんだ、あさのさんぽか」と、きゃらめるさんは、
ちょっと、がっかりしたように、いいました。 

かいぬしは、いえにかえったあと、
「おもしろかったね」といって、ぼくたちを、なでてくれました。
まるで、いきてるときみたいで、
ほんとうに、みえているんじゃないかと、またおもいました。

かいぬしは、そのあと、めがさえてしまったみたいで、、
ごはんをたいたり、かたづけをしたりして、
けっきょく、あかるくなるまで、おきていました。
 そのまま、にわのくさとりまでして、ふつうにしごとをしていました。
 もうとしなんだから、つかれがでないか、しんぱいしたけど、
きゃらめるさんも、あにゃんさんも、きにしてないようなので、
たぶん、だいじょうぶなんだとおもいます。
 でも、きょうは、はやめにねろよな。
 ぼくの、めいにちまでは、いきていてもらわないと。

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カツジ猫