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ぼくと、かいぬしのにっき(カツジ猫)

みなさん、こんばんわ

かいぬしは、あいかわらず、ちっともかたづかない、おもやを、
まいにち、すこしずつ、かたづけています。
 ふるい、じぶんのにっきなどを、よんだりしてるから、
なかなか、すすまないみたいです。

そして、にっきのなかに、ぼくのことが、あまりでてこないで、
しごとや、しょうせつや、たいちょうのことばかりで、
ちっとも、ぼくが、とうじょうしないのが、すごく、ふまんらしいです。

「おまえのはなしといえば、『かつじの、さしみをかわなくちゃ』とか、
そんなんばっかりなんだもん。
 わたしは、おまえの、ひょうじょうとか、しぐさとか、がいけんとか、
そういうものを、よみたいのに」と、がっかりしています。

「きゃらめるとか、おゆきさんとか、ほかのねこたちのことは、
いろいろ、こまかく、びょうしゃしているから、
よむたびに、おもいだして、なつかしいのに。
 どうして、こんなことになったのかしら。
 にっきをかいているあいだ、
おまえはずっと、そばにいたはずなのに」と、
ためいきばかり、ついています。

せんぱいねこの、きゃらめるさんは、
 「そりゃ、そうだろうさ。
 おれは、ずっと、ながいこと、えいずで、びょうきで、
かいぬしは、まいにち、なんねんも、ひやひやしてたし、
しょだいねこの、おゆきばあさんも、
なんども、しゅじゅつして、かいぬしをしんぱいさせてたし。
 おまえは、ずっと、げんきだったし、
まだ、しぬなんて、おもってないから、
あんしんというか、ゆだんしてたんだろうさ」と、いいました。

かいぬしは、だんだん、じしんがなくなるみたいで、
「なんだか、あんまり、おまえが、にっきに、でないから、
おまえに、いじわるしたり、つめたくしたりしたことばかり、
おもいだしてしまうのよ。
 いったい、わたしは、おまえを、
ほんとうに、あいしていたのかしら」と、
このまえは、ひとりで、しょぼくれていました。

でも、きのうは、めずらしく、にっきに、ぼくのことがでていて、
「おもやを、かたづけるのに、かつじを、つれていこうか。
いやがるかな、よろこぶかな。
 したのいえで、まっていて、わたしが、おもやにいるのを、
さびしがって、まどから、ながめているかとおもうと、
かわいそうで、おちつかないし、どうしたもんだろう」とか、
かいてあったらしくて、ちょっと、ほっとしたように、
 「ああ、わたしはやっぱり、こうやって、
かつじのことを、かんがえて、すごしていたんだな」と、
なんべんも、そこのところを、よんでいました。

「でも、もっと、おまえとのくらしや、まいにちを、
よみたいのよねえ。なんで、もっと、かかなかったのかしら。
じゅうろくねんも、くらしたというのに」と、
くやしがっています。

そんなことより、はやく、いえを、かたづけろったら。
 ないものねだりしたって、しょうがないんだからさ。
 そろそろまた、ぼくの、つきめいにちだぞ。
 おさしみを、わすれないように、してくれよ。

このしゃしんは、まだ、このいえができて、
かぐも、そんなにないときに、まどのまえの、つくえのうえで、
ぼくが、ねているところです。
 いまはもう、このつくえは、ぱそこんや、ほんで、いっぱいだけどさ。

かいぬしには、みえないだろうけど、
ぼくは、いまでも、その、ほんや、かみのやまのうえにねて、
ぱそこんうってる、かいぬしのことを、みているんだい。

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カツジ猫