ぼくと、かいぬしのは(カツジ猫)
みなさん、こんばんわ
かいぬしは、このまえ、おくばがいっぽん、ねっこからとれてしまって、
はいしゃさんにいったら、ねっこがくさってるから、ぬくしかないといわれて、
そのばで、ぬいてもらったそうです。
おいしゃさんは、なんにちかかんがえてからでもいいみたいなかんじだったけど、
かいぬしは、そくざに、ぬいてくださいといったので、
おいしゃさんは、あきれたかもしれません。
「むかし、まだわかいときだけど、むしばになっていたおくばを、
じぶんで、はさみで、くだいて、おって、ぬいたことがあったからなあ。
それにくらべれば、かるいもんよ」と、いっていました。
おいしゃさんは、くすりもくれたけど、
ねつも、いたみもでないまま、
きょうまた、みてもらいにいって、
けっきょく、ぬけたままにして、あたらしいははいれないことにしたそうです。
さいしょに、もげた、はのかけらを、かいぬしは、とっていましたが、
「すてるのもねえ」とかいって、けっきょく、ぼくのおはかの、はしっこの、
つちのなかにつっこみました。
しょうらい、こうこがくしゃが、はっくつしたら、
ねこのほねのなかに、にんげんのはのかけらがまじっていて、
なやむんじゃないかとおもいます。
かいぬしが、つくってくれた、ぼくのおはかのちかくには、
「こんぽすと」があって、かいぬしは、だいどころから、
ここに、なまごみをすてにきます。
でも、ぼくのおはかをつくってからは、えんりょしているのか、
うえのいえのまえの、べつの「こんぽすと」にすてにいきます。
ぼくは、べつにかまわないのにな。
やさいや、さかなのほねぐらいしか、なまごみはないし、
つちをつたわって、においがわかっても、
だいどころのにおいで、なつかしいぐらいです。
だいいち、ぼくだって、そのうち、つちになるんだから、
このおはかだって、こんぽすとみたいなものじゃん。
「おまえ、よく、こんぽすとのうえに、のっていたんだね」
と、かいぬしは、ふるいしゃしんをみて、いいます。
いまだって、よくのってるんだぞ。
かいぬしのめに、みえないだけでさ。


