ぼくと、ぼくと、ぼく(カツジ猫)
みなさん、こんばんわ
このしゃしんは、すとーぶのまえで、
ぼくが、くつろいでいるところです。
「すとーぶの、あかいほのおが、
ちゃんと、うつってないから、
いまひとつ、かんじがでないねえ」と、
かいぬしは、ざんねんがっています。
ぼくが、このざぶとんのうえで、
きもちよく、ごろごろしているしゃしんも、
「どうも、いまいち、いいのがとれない」と、
かいぬしは、くやしそうにしています。
しゃしんは、べつとしても、
このすとーぶのまえの、ざぶとんは、
かいぬしも、すきみたいで、
ときどき、すわって、ほんをよんだりしています。
そして、ぼくが、まるくなっていると、
「かつじ、かわいーい」とかいって、
うえから、かぶさったりして、
ぼくに、かまってきます。
ぼくは、うるさいのと、
ばしょを、とられそうなのがいやなのと、
こうふんして、あそびたくなるのと、
いろいろまざって、
そういうときは、すぐ、かいぬしに、
かみついたり、ひっかいたりします。
さっきも、てに、かみついたら、
かいぬしに「これ」と、ゆびで、あたまをはたかれました。
「よる、おふとんにはいっているときは、
ぜったいに、かみついたりしないのに、
おまえの、きょうぼうすいっちは、どこで、はいるんだい。
もしかしたら、ほんとうは、にひき、いるとかじゃないよね。
じきると、はいどみたいにさ。
もういっぴきは、どこかにかくれて、
こうたいで、でてきているんだろ」と、
かいぬしは、ぼくをみながら、いいました。
ぼくの、しゃしんを、はがきにしたのを、
かいぬしが、よくいくおみせのひとが、
みせに、かざっているので、
おきゃくさんが、ときどき、もらっていくそうです。
そのなかのひとりのひとが、ぼくのなまえを、
まちがって「ぎんじ」と、おぼえていて、
なんべん、おしえても、ぼくのしゃしんをみては、
「あ、ぎんじ」と、いってるそうです。
「きょうぼうな、おまえと、おとなしい、おまえと、
どっちがどっちか、わからないけど、
これからは、ぎんじと、かつじと、よぼうかな。
どっちを、きょうぼうなほうにしようか」と、
かいぬしは、ぼくをみて、かんがえています。
「それとも、いっそ、『まっく』とか、『あいす』とか、
『ふぇるなんです』とか、『うろんすきい』とか、
おもいきり、ちがうなまえにしてもいいな。
しごひき、いることにして」
などと、だんだん、むちゃくちゃをいいだしています。
そんなこというなら、しかえしに、
ぼくも、かいぬしに、『りぼん』とか『まぐろ』とか、
へんななまえを、つけてやるぞ。