ぼくに、おきゃくさん(カツジ猫)
みなさん、こんばんわ
かいぬしがるすのとき、ぼくのせわをしてくれた、さんにんのなかのひとりのひとが、
むすめさんといっしょに、ぼくのおはかまいりにきました。
かいぬしはよろこんで、「おちゃもだせないけど」といって、
ぼくのしゃしんのやまほどあったのを、さがしてきて、
「よかったら、すきなのを、もっていってください」といいました。
おちゃをださないうえに、あまったしゃしんをもっていってもらってかたづけるのは、
たいがい、ずうずうしいんじゃないかとおもって、
ぼくは、おはかのうえにすわって、みていました。
でも、おきゃくさんたちは、とてもよろこんでたみたいで、
たくさん、しゃしんをえらんで、もらってくれました。
「これで、おまえのしゃしんをつかって、
ぶろぐをかく、のるまが、すこしへったかもね。
いきているあいだに、おまえのしゃしんを、つかいはたせるかもしれない」
と、かいぬしも、よろこんでいました。
かいぬしは、ひとに、のるまとかいわれると、いやがるのに、
じぶんで、わけのわからないのるまをつくるのは、だいすきで、
これで、じんせいを、だいぶ、むだにしたんじゃないかと、
ぼくは、みていて、おもいます。
かいぬしが、よろこんだのは、ほかにもあって、
「おまえが、あそぶのがすきなのに、
わたしはあまりあいてをしてあげられなかった」と、
きのうも、おちこんでいたけれど、
このおきゃくさんたちは、いつも、くるたびにながいこと、
ぼくと、おもちゃで、あそんでくれたのです。
それをかんがえると、このひとたちをみているだけで、
かいぬしは、しあわせになるのだそうです。
ぼくも、おもいだして、うれしいけどな。
なんだか、てあしがはずみだして、
またいっしょにあそびたくなる。
おきゃくさんは、ぼくに、えさのおみやげをそなえてくれて、
かいぬしには、ねこのかたちのゆびわをくれました。
みずいろの、いろのかんじが、ぼくににているそうです。
そういえば、そうかもな。
ぼくは、みずいろって、かんじなのかな。
かっこいいじゃん。

もらったエサもたべて、まんぞくしたので、きょうはもう、ねます。
おうちのなかにいってみるのは、あしたにしよう。

このしゃしんは、ぼくの、かなあみのにわから、
だいどころにはいる、いりぐちです。
みぎのうえに、みえているのは、いりぐちのどあで、
ぼくは、その、あけてある、したのはしに、
かおをすりつけているところです。
すごくおもい、どあだから、かいぬしは、
いつか、ぼくがはさまれて、
「まっぷたつか、ぺっちゃんこになりそうで、しんぱいだよ。
うかつに、ちかづくんじゃないよ」と、いっていました。
いまは、ぼくは、からだがないから、
どあなんか、へいきです。
あしたは、ここをとおりぬけて、
おうちにはいることにします。