ぼくの、しじゅうくにち(カツジ猫)
みなさん、こんばんわ
ぼくは、はちがつにじゅうさんにちに、しんだので、
にんげんのいう「しじゅうくにち」は、
じゅうがつじゅういちにちでした。
かいぬしは、きにしてはいたんだけど、
なんとなく、まださきと、おもっていて、
きがついたら、もう、ふつかほどすぎていました。
かいぬしは、ざんねんがって、
「うかつだったなあ、ごめんよ、かつじ。
なにしろ、かぞくも、みなしんでから、だいぶたつし、
ほかのねこたちのしんだあとも、
しじゅうくにちなんて、したことがないから、
つい、かんがくるったわ。
おまえはきっと、わたしのかう、さいごのねこだし、
ほかのねこたちへの、まとめもかねて、
きちんと、くようしてやろうと、おもっていたのに」
と、なげきました。
「つきめいにち」も、ずっとしてくれるつもりらしいから、
そんなにはんせいしないでもいいのに、とおもっていたら、
ぼくのすがたもみえないし、こえもきこえないのに、
ぼくのきもちに、きづいたのか、かいぬしは、ためいきをついて、
「だって、しじゅうくにちは、しんだあと、
もうこのいっかいだけだからねえ。
はいゆうや、かしゅや、すぽーつせんしゅの、
しんじんしょうみたいなもので、ちゃんすは、いちどだけなんだから」
と、くやしそうでした。
なんか、へんなの。
ぼくよりずっとまえにしんで、このいえで、いっしょにくらしている、
だいせんぱいの、きゃらめるさんと、くろねこの、あにゃんさんも、
「ふーん」と、くびをかしげて、あまりきょうみもなさそうでした。
でも、かいぬしは、あきらめられなかったようで、
ちょうど、じゅうににちに、ぼくのおはかまいりにきたひとが、
りっぱな、はなかごを、おいていったので、
「これで、しじゅうくにちもかねて、
いちにちおくれで、くようしよう」ときめて、
また、ぼくのだいすきな「ふく」のおさしみや、
ちゅーるをかってきて、そなえてくれました。

おなじころ、かいぬしのるすに、おまいりにきたひとが、
おはかのまえに、おいていった、おはなも、いっしょに、かざりました。

ぼくたちは、よろこんで、みんなでたべました。
きゃらめるさんと、あにゃんさんは、なまざかながすきじゃなかったので、
「ふく」は、ぜんぶ、ぼくがたべました。
このあと、「ひゃっかにち」とか「いっしゅうき」とかもあるらしいから、
ぼくたちは、ちょっと、たのしみにしています。
