ぼくの、しんきょから（カツジ猫）

みなさん、こんばんわ

かいぬしが、「おまえはもう、しんでいる」というんだけど、
ぼくにはまだ、じっかんがありません。
　「そういうのを、ちゅううにまよってる、というのさ」と、
かいぬしは、えらそうに、おしえてくれたけど、
ちゅううって、なんだろな。
ちゅうると、なにかかんけいがあるのかな。

ぼくは、つちのなかで、のんびりしています。
　いつも、あるいていた、かなあみのなかのにわだし、
がらすどごしに、かいぬしがうごいているのもみえるし、
てれびのおともきこえるから、
　いきてるときと、たいしてかわりません。
　かいぬしが、ときどき、つちのうえに、いしをおいたり、
くさをうえたりするから、そのときは、
ちょっと、くすぐったいです。

だんだん、からだが、なくなっていって、
そのぶん、じゆうに、であるけるようになりました。
　いえのなかにいってもいいんだけど、
　そこは、いつもいたところだから、
　まえは、いけなかった、かなあみのそとを、
あるいてみたりしています。

かいぬしは、いそがしいのか、
にわのていれをさぼってるようで、
どこも、くさぼうぼうです。
　けさ、かまきりのやつに、あいました。
　ぼくは、けいかいしたけど、
あっちは、ぼくがみえなかったらしくて、
どこかにいってしまいました。

ぼくのおはかのまわりだけは、かいぬしは、
くさをぬいて、はなのはちなんかならべて、
わりときれいにしています。
　いつまでつづくのかな。

かいぬしは、ぼくに、
「あのさ、いしょうかんいっぱいぐらい、
おまえのしゃしんがあって、
どうにもしまつにこまっているのよ。
　ぜんぶ、つかいはたすまで、
おまえは、おしゃべりにきなさい」
　といいました。

そんなにたくさんあったら、ぜんぶつかうまえに、
じぶんがしぬんじゃないかとおもったけど、
まあ、さきのことはわからないから、
とうぶん、つきあってやろうかとおもっています。

みなさんもまた、よろしくおねがいします。