ぼくの、はつがみ(カツジ猫)
みなさん、こんばんわ
かいぬしは、きのうのよる、ぼくのといれの、すなばを、
そうじしてなかったのを、おもいだしたみたいで、
「まあ、いちにちぐらいは、いいか」とおもったらしいけど、
けっきょく、にわの、あかりをつけて、そうじしに、きました。
ゆうべは、あたたかだったので、ぼくは、にわにでていて、
かいぬしが、でてきたので、
たなから、とびおりて、あしもとにいったら、
かいぬしは、ぼくが、みえなかったみたいで、
まちがえて、ぼくのあしを、ふみました。
ぼくが「ぎゃあっ」とさわいだら、
かいぬしは、びっくりして、あわてて、
「もう、そんなところに、うろちょろしてるからでしょ」と、
ぼくを、おこりました。
ぼくは、いえに、とびこんで、
ろうかの、かごにはいって、ねていたら、
かいぬしは、しばらくして、やってきて、
「どこをふんだの、けがしてないよね」といって、
ぼくのあしを、いっぽんずつ、つかんで、
どうもなってないかどうか、しらべました。
ぼくは、おこって、かいぬしのてに、かみつきました。
ふくのうえからだったから、はごたえはなかったけど、
かいぬしは、「はいはい、はつがみだね。
おまたせしましたっていうかんじだね」と、
わけのわからないことをいっていました。
「ちゃんと、あるけるの、だいじょうぶなの」と、きにして、
ぼくが、かごからとびだして、だいどころのほうに、
あるいていくのをみて、
「まあ、だいじょうぶそうだね、ああ、よかった」と、
ためいきをついていました。
こんやは、おさしみがなかったので、
なべにいれる、「ふく」のきりみを、
すこしきって、おさらにいれてくれました。
ぼくは、まんぞくして、たべあげて、
そのあと、まえあしで、かおをふいて、おけしょうをしました。
このごろ、ぼくは、めもとがよごれていたら、
じぶんで、まえあしで、ふくようになりました。
「そうそう、おとこは、みだしなみだよ」と、
かいぬしは、ほめます。
でも、かたっぽ、ふいたところで、わすれて、そのままにするので、
かいぬしは、「はあ。むかし、なにかのばんぐみで、
こどもに、くつをみがかせるには、かたっぽだけ、きれいにしておけば、
もうかたほうは、じぶんでみがくようになると、いっていて、
かんしんしたけど、おまえには、つうようしないのだね。
こどもにも、こうかは、あったのかしら」といいながら、
のこったほうの、めのよごれを、ふいてくれます。
「そら、いいおとこになった」と、ほめてくれるけど、
そろそろ、ぶらしもかけてくれないかな。
ふゆげが、そろそろ、もつれてきそうだぞ。