ぼくのきいたはずの、おんがく(カツジ猫)
みなさん、こんばんわ
かいぬしは、このごろ、てれびをみても、おもしろくないからといって、
よるは、ふるい「しーでぃー」をひっぱりだして、じゃずや、しゃんそんを、きいています。
「これをかって、まいばん、きいてたのは、なんねんまえだったかなあ。
そのころは、たしか、てれびは、あんてなをつないでなくて、
『でぃーびーでぃー』で、えいがをみるだけだったんだよね。
すぽーつばんぐみでも、みるのにはいいかとおもって、
でんきやさんに、あんてなをつないでもらって、
てれびをみられるようにしたのは、あれって、なんねんまえだったかしら」
などと、かんがえてみています。
「どっちにしても、このいえをたてたときに、
おまえはもういたのだから、こんなおんがくをきいていたじだいには、
おまえは、ぜったい、いっしょにいて、このきょくも、きいてたはずなのよね。
それなのに、さっぱり、おもいだせない。
そんなときの、おまえのかおも、していたことも。
どうしていたのかなあ。ねていたのかなあ。
なにも、おもいだせないのが、ちょっとくやしいよ」と、なげいていました。
「てれびをみていたときのことは、よくおもいだすのよ。
というか、そればっかり、おもいだすのよ。
おまえが、しんやばんぐみで、とおいくにの、
どうぶつや、とりが、うつると、とんでいって、
がめんを、みつめたり、たたいたりしていたことや、
やきゅうや、てにすの、しろいぼーるを、
くびを、さゆうにふって、めで、おいかけてたこと、
なにより、てれびのまえによこになるから、
わたしは、じまくが、よめないで、
あしで、おまえを、おさえたり、
しっぽをのけたりしながら、がめんをみていたこと、
しょうじきいって、おまえがしんで、
てれびのじまくが、ぜんぶよめるようになったのは、
ちょっと、うれしかったんだよね」と、わらいます。
ぼくも、あんまり、きいたおんがくのことや、
なにをしていたかは、おもいだしません。
かいぬしが、ねるまえに、べっどで、ほんをよんでいるとき、
ぺーじのかどで、あごをこするのが、きもちがよくて、
いつも、ほんに、あたまをすりつけるから、
かいぬしが、「あーあ」といって、ほんをとじて、
ぼくのあたまをだいて、そのまま、ねてしまうのは、
わりとよく、おぼえているんだけどな。
かいぬしは、ぼくがしんでしまって、
ほんも、じゃまされずによめるから、
うれしいと、ないしん、おもってるのかな。
ちょっと、しゃくだよね。
でも、このごろは、つかれてるのか、
ほんをひらいても、わりとすぐ、ねてしまうので、
しんぱいだけど、そこは、すこし、いいきみともおもいます。
