ぼくは、まんぞく(カツジ猫)
みなさん、こんばんわ
こんやは、すごくさむいです。
かいぬしは、けさ、ごじにおきて、
にわの、ぼくのといれをそうじしたり、
うえのいえに、でんきをつけたり、
いそがしくはたらいて、はちじはんごろに、
「かつじ、いなかのおうちに、かえってくるよ。
たぶん、きょうじゅうにかえるけど、
もしかしたら、とまってくるかもしれないから、
そのときは、おりこうで、おるすばんしてなさい」
といって、くるまで、でかけていきました。
あんなこといったら、もうきっと、
きょうは、かえってこないとおもっていたら、
さっき、かえってきて、
「ほら、かつじ、やくそくをまもったでしょ」と、いばりました。
そして、おやつもくれたので、ぼくとしては、さいこうです。
かいぬしは、そとねこの、しまおが、しんぱいなんだとおもいます。
このなんにちか、しまおはまた、ずっと、きません。
「どこかで、げんきにしているなら、いいのだけど、
ひょっと、ぐあいでもわるくて、
いっしょうけんめい、えさをもらいに、ここまできて、
わたしがいなかったらとおもうと、
わたしのほうが、うごけないほど、つらくなる」といっていました。
ぼくだって、むかし、こねこのころ、
ゆきのなかで、うえじにしかけたのに、
あまいなとおもっていたら、かいぬしは、
「おまえ、わたしが、やさしいと、おもっているなら、まちがいよ。
こんな、しんぱいを、まいにちしていると、
じっさいに、ひとや、どうぶつや、じぶんじしんが、どんなひどいめにあっても、
あたまのなかで、なれていたぶん、
かえって、ぜんぜん、あわてないし、へいきなんだから」
と、へんなおどかしかたをしました。
ぼくが、かいぬしから、とりあげて、まいばんねている「めでぃかるまくら」は、
もうひとつ、いなかのいえにあるはずなのに、
みつからなかったそうです。
「まあいっか、かたこりも、なおったみたいだし」と、
かいぬしは、いっていました。
かいぬしは、このまえ、まちにいって、
ぼくが、つめをとぐので、こまっていた、
いすのしたにしく、しきものを、みつけてきました。
こんどのは、あまり、つめとぎによくないので、
ぼくは、むししています。
かいぬしは、よろこんで、「やったね」といっています。
でも、つめとぎも、あたらしいのに、かえてくれました。
「こんしゅうは、ものすごく、さむくなるらしい。
えあこんは、たかくつくから、
こたつで、がまんするようにしようね」と、かいぬしは、いっています。