ぼくは、みみがいい(カツジ猫)
みなさん、こんにちわ
かいぬしは、「きょうは、あるいみ、けっせんのひだわ」と、
なにか、わけのわからないことをいって、
あさから、うえのいえにいって、かたづけに、せいをだしています。
さっきは、うえのいえの、はいいろねこの「ぐれいす」さんのしいていた、
たおるけっとを、かかえて、かえってきて、
「いまからあらったら、かわくかな」と、せんたくきを、まわしています。
「べつに、よごしてはいないんだけど、
そろそろ、あらってやらなくちゃとおもってね。
でもおまえ、わかるかい。
おまえたちの、たおるやなんかと、じぶんのものを、いっしょにあらうと、
おふろあがりや、じむで、とれーにんぐしたあとに、
からだをふいたら、ぬれたはだに、けがついたりするんだよ。
それって、すごく、いやなかんじがするんだよ。
そうぞうつくかな。わかるかな」と、
べっどでねている、ぼくのまえにすわって、
しんこくなかおで、もんくをいっていましたが、
そのうちに、わらいだしていたから、
どうせ、たいしたことじゃなさそうです。
それよりも、ゆうべ、ごはんのしたくをしているとき、
ぼくが、うしろの、あらいかごのなかに、ふせてあった、
「たっぱー」にかおをこすりつけていたら、
「たっぱー」が、ゆかに、ころげおちました。
「もう、おちゃわんとかだったら、かくじつにわれてたでしょ。
どうしてそういう、しなくてもいいことをするの」と、
かいぬしは、ぼくをおこりました。
ぼくは、ねこだから、みみがいいので、
おおきなこえは、だいきらいです。
だからすぐ、にわに、にげだして、
たなのうえに、ねそべっていたら、
しばらくして、かいぬしが「おいで」と、よんで、
ぼくも、なかにはいりました。
かいぬしは「おやつ」をくれて、
「まあ、かごのなかに、あらいものを、つみすぎていた
わたしもわるいからね」と、いいました。
かいぬしは、いそがしいのか、
このごろ、あまり、ぼくのけを、すきません。
このまえ、おしりのところのけが、からまって、かたまっていたので、
かいぬしは、ぼくがねているときに、
はさみで、そこのけをきりました。
きょうもまた、おなじところが、からまっていたので、
かいぬしは、きにして、
「どこか、けがでもしているのかな」といって、
おしりのあたりをさわるので、
ぼくは、おこって、かみつきました。
「いたいんじゃないよね。
なんでもないなら、いいんだけど」と、かいぬしはいって、
「やっぱり、まいにち、ぶらしをかけないといけないね」
と、はんせいしていました。
でも、ぶらしをかけすぎて、ぼくのけの、もようが、うすくなって、
「あめしょーみたいだったのに、
もようがきえてしまったみたい。
ただの、はいいろねこじゃん。
ふゆになったら、また、うずまきもようが、みえてくるのかな」
と、きにしています。
たまには、ぼくだって、ちがうもようになって、
きぶんてんかんしても、いいじゃんか。
せいぜい、たのしんでくれよな。