もはや一般名詞。
◇今朝は早くから、若い人が資料の読みを確認しに、遠くからうちに来ることになっていて、大変優秀な人なので10時と言ったら絶対に10時に来る人なのに、私は寝坊した上に洗濯やその他何だかいろいろ、急ぐことでもないことをしてしまって、気がついたら、もう10時ちょっと前。昨日は寒かったのでお風呂にも入ってないし、わあどうしようとあわてていたら、電話がかかって30分ほど遅れますとの連絡。おおどこまでも優秀な人ではないかと喜んで、ゆっくりお風呂に入っていたら、またあっという間に10時半になり、彼を玄関に待たせて着替えをするはめになりました。
資料の文字は、さすがに彼も読めなかった部分ばかりですから、どれも難物で、あまり役にたつお手伝いはできなかったけど、まあいくつかは読めたからいいか。いろいろしゃべって楽しく過ごし、夕方に彼が帰ったあと、もらった論文の抜き刷りを読んで、また楽しみました。
◇その他愛ない雑談の中で、私が「女性論を自分の中で整理した次の課題は、格差論で、これが自分の人生最後のテーマだと思っていたんだけど、結局、『弱いもの、劣っているもの』を悪役にして、『すぐれたもの、強いもの』のつらさや悲しみや怒りを訴えようというのは、やっぱりまちがいで、しちゃいけないことだったかもしれない、と最近また思い始めた」と言ったら彼いわく、「荻生徂徠の著作を読んだら、まるで今の非正規雇用はいけない、みたいな感じで、役に立たない、無駄でつまらない人間を、ちゃんとうけとめて、抱えて行かないと世の中はうまく行かないというようなことが書かれていて、徂徠ってこんなこと書くんだと、驚いた」と教えてくれました。
「仁斎ならまだわかるけど、徂徠がねえ」と私も驚いたあとで、「でも、支配者、指導者、エリート層が本当に体制側の未来を考えたら、当然そうなるのかもしれないね。そういう点では今の政府や首相は、日本をきちんと守ろうという意識もないとしか言いようがない」と言いました。
◇そう言えば、昨日は「戦争法の廃止を求めるオール宗像」のメンバーと雑談していて、「メンバーが一致できるスローガンを考えないと」という話になったとき、私は「やっぱりそれは『アベ政治を許さない』と『戦争法廃止』じゃないですか」と言って皆も賛成したのですが、私はつけ加えて、「この場合、『アベ政治』というのは、福岡教育大学や宗像市や、その他いろんなところで今なされている、『トップが自分の考えを皆にはかることなく、仲間内だけで勝手に機関や組織を作って、自分たちで自分たちに提案して決定していく、あり得ないやり方』の代名詞で、だから『アベ政治』というのは、もはや一般名詞として使わなくちゃいけません」と言ったのですが、そうですよね(笑)。
◇昨日、雑煮にした鏡餅は、あちこちカビくさかったけど、絹のようにきめこまかくて、おいしくて、何とかもっと早めに食べられたらよかったなあ。でも、鏡開きまで待っていたら、どっちみちカビちゃうだろうし、来年もし買うとしたら、もう三が日で食ってやろう。
でも何だかだで、これを食べ上げて、ほっとしました。でもついでに、余っていたお屠蘇を、その雑煮の調味料にどぼどぼ入れてしまったので、食べるたびに酔っぱらってるような気がします。
◇小説も、ぼちぼち書いているのですが、筋を考えるとどんどん先を書きたくなる一方、私はこの「水の王子」という作品は、どこか詩を書くような意識でことばを選んで楽しんでいたのだったと今さらながら思い出して、妙にじっくり絵を描くように書いてしまうので、なかなか先に進まない。どうせ遅くなるのなら、それこそ詩のように、ちょこちょこ公開して行こうかな。絶対途中で消したり変えたりするでしょうが、それもまた面白いし、読む人がそういるわけでもないだろうから、メモ用紙がわりにしてもいいし。
◇カツジ猫は、お客さんが来て緊張して疲れたのか、今は私の後ろの椅子の上で、何だか俵のようになって眠っています。気のせいか知れませんが、どうもこいつは私が毎晩「ナポレオンソロ」のDVDをテレビで見ながら寝るのが気にくわないらしく、テレビの前をうろついては、私の首にくっついて寝てじゃまをし、結局私はテレビを消して、こいつを抱いて寝るはめになります。困ったものだわ。おかげで一話をいっぺんに最後まで見られたためしがない。シリーズ的にはシーズン2の途中で、ばかばかしさが実にほどよく絶好調で、多分一番面白いあたりなのに。そして毎回、飽きもせずに、恐い美人の年増女と、無邪気で元気な若い娘が登場するのも、新作の映画がきっちり踏襲してくれているパターンで、もう楽しくて笑ってしまう。イリヤのキャラが、だんだん優秀かつ生意気になって来ているのも、ソロさんがどんどん、いい人っぽくなっているのも、おかしいけれど、悪くない。しかし毎回感心するのも芸がないけど、主演の二人、よくこの変化について行って、きちんと役の人格を破綻させずにつないでいるな。そこはつくづく感心する。