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もれなくカツジがついて来ます。

◇あけましておめでとうございます。
年賀状の返事を書く他は、とりたててすることがないので、だらだらしています。
母のところに、おせちもどきと、お屠蘇もどきも持って行きました。母はあまりぱっとしてなくて、例の私が大嫌いな、「ああ、いよいよもう本当におしまいだね」のせりふを、私を見るなり言ったので、私も思わず「あー、もう新年早々、そんなこと聞かされなきゃならないのか。必死でおせちやお屠蘇作って持って来て、そんなこと言われるんじゃもう二度と来る気にもならんわ」と言い返してしまいました。まあこんなことが平気で言えるのも、ある意味幸せなんでしょう。いい人やってばかりだと疲れます(笑)。

もっとも母がこう言うのは、多分どこか疲れているか体調がよくない時なので、熱でもあるのかと思いましたがそんな風でもなかったから、多分大丈夫なんでしょう。おせちもけっこう食べてくれたけど、あまりお正月とかよくわかっていないみたいでした。去年はお屠蘇もおいしいとか言ってくれたんだけどな。まあしょうがないか。

◇私も何となく疲れているので、今夜は早めに寝ようと思いながらパソコン打ったりベッドでDVD見たりしているのですが、私がそうして移動するたび、カツジ猫もしばらくすると黙ってそばに来て寝るので、ほんとに「もれなくついて来ます」って感じで笑っちゃいます。

で、そのテレビであいかわらず見ている海外ドラマの「ナポレオン・ソロ」(英語字幕版)ですが、ここ数作、そろそろ昔に見た範囲に入って来たか、記憶に残っている話が多くなりました。多分「ポーロック館の地下牢」という邦題だったと思うのがあって、それ見ていて、あらためて思ったのが、このドラマほんとに女性が強かったのですよねえ。それも若い女性だけじゃなく、一見罪のない弱弱しいばあさんまでが。昔の私は、そこがとても好きだったのだなあと、つくづく思い出しました(笑)。新作映画のとことん悪役の女性は、これまたもとのドラマで確立してた味わいなのですよ。そこにも気持ちいいほどの原作尊重があります。

その一つか二つ前の、ソロたちの組織アンクルに冒険を求めて入ったのに、事務仕事しかさせてもらえないで不満いっぱいの若い女性に、親切心からソロが、ありもしない危険なミッションを命じたら、それが敵にねらわれることになってしまい、彼女を見つけて守ろうにも、ソロがわざと超ややこしくして教えたルートを彼自身がもうよく覚えておらず、という、まあ罪のないドタバタ劇なんですが、それがちゃんと見られるのは、ソロという人はいかにもそういうことをしそうな、しょーもない、うかつさと優しさがあって、そのキャラがきちんと生かされているし、ロバート・ボーンの演技も完璧にそういう男になってるからだなあと、しょうもないところで、また感心していました。

更に、怒った様子もなく「すぐ(彼女の捜索に)とりかかりたまえ」とだけ冷静に指示するウェーバリー課長の、でもものすごく怒ってるのがよくわかる演技も実に味わいがあるし、さらに、その課長の後ろでただの背景になってるイリヤ・クリヤキンの表情というのがもう、せりふもしぐさも全然ないのに、ただもう「…バカ。何てバカ。わかってるけど、でもやっぱりバカ。救いようのないバカ」と、同僚の性質というのを知り抜いた上で冷ややかに無言で伝えて来るのがすごすぎて、つくづくソロに同情する(笑)。こんな容赦なく冷ややかな目をする相棒は、ほんとにたまらんよなあ。ソロの方もイリヤをいいようにあつかってる時がよくあるのですが、それくらいしないと、やっていけないだろう。

◇いただいた年賀状に「むなかた九条の会の発展を祈っています」と書いて下さっている、地元の元同僚の大先生、「アベはアメリカに教えられたことばかりしかできぬ奴。恥しい!」と書いてこられた、これも昔の同僚の大先生、「教え子を戦場に送らない、のことばの重みをひしっと感じています」と書いてきた教え子の現教師など、思いがけない人たちからの、思いがけないコメントに、手の中におさまる年賀状のたばの中に、燃え上がる怒りがうごめいているのを感じます。この一年の戦いに向かって走り出すためにも、この数日はゆったりして、頭と身体を休めます。

と言いながら言うけどねえ(笑)。
元日の新聞で、改憲は小さいことから始めるという首相の意向を読んで、げんなりしました。慰安婦の問題でも何でもすべてそうですが、この人は本当に「自分の信念を正々堂々と訴えて人を説得する」ということをしないのですね。いつもすることが、すべて「姑息」としか言いようがなくて、それを恥ずかしいと思う感覚もない。「どうやったら、うまくごまかせるか」ということから、いつも話がスタートする。
正月早々、こんな貧困なあさましい精神を何で見せられなきゃならんかなあ。情けないったら、ありゃしない。

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カツジ猫