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ゆる~い服装

退職してから、ちょっと着る服のイメージを変えたいなあと思っていました。こうちょっと、もう世の中の第一線から退いて、貧しいけど時間だけはあるみたいな、老人クラブのおじいさんやおばあさんのような感じの。今から釣りかゲートボールのでも行きまひょか、みたいな、どこか油断がある、すきだらけの、しまらない、そういう雰囲気をかもしだすような。

しかしいかんせん、在職中から変なかっこうばかりしてたせいで、今さら自由な格好も着くずした格好も、もう、することが残ってはいないのよね~。
そして年金生活だから金もなく、新しい服が買えるわけでもない。
古着屋で、よれよれの安物を探してみようかと思ったけど、なるべくもう衣類はふやしたくないしなあ。

麦わら帽子にスニーカーとかどうかなあ、と思っているのですが。あんまりやりすぎると、肩書きのなくなった今は、本当におかしな人に思われかねない。
「まあ、大学の先生なら、少々おかしくても、しょうがないか」という世間の目をあてにしていたのかと今さら思い知っています。
結局、一応ぎりぎり普通のかっこうで、でもどこか油断している、という感じの服装をしていますが、気を抜く、手を抜く、のを意識的にめざすのって難しい。(まったく何をやってるんだかね。)

ゆきうさぎさん

実は私も家の近くに小さなお墓を買いました。色もかたちも思いっきり好き勝手なデザインにして、線香立ても花立てもいらん、どうせ誰も来ないから、ということにして、こどもの日に墓の契約もいいかと思って、今日話を決めてきました。
たたみ半分もない広さだし、驚くほど安かったです。こんなのを一人でとっとと決められるのが、一人暮らしのいいとこですね。
墓の裏に何か好きなことばを彫れるので、「ひとりにしてくれ」と書いてやろうかと思いましたが、さすがにそれはやめました。(笑)

墓を手に入れると、次は葬式の契約もしたくなり、少し金がたまったら生前葬でもしておいて、死んだら最低の手続きだけで、この墓にでもどこにでもほうりこんでくれ、と葬儀社に相談しようと思ったのですが、問題は私がいったいどこで死ぬのかわからないことです。だいたい、ことばもわからない外国のホテルでのたれ死に、と思っていたのですが、そううまく行くものでもないでしょうから、まあやっぱり国内のどっかなんでしょう。が、それがまだ、どこになるのか、さっぱりわからない。たとえば北陸や沖縄で死んだとして、この近くの葬儀社が出向いてくれるとは思えない。
そもそも病院か老人ホームか自宅か、とか考えていたら、あまりにも不確定要素が多いのでいやになって、もう少しこれは待つことにしました。

誰かに頼んでおくったって、友人や親戚はだいたい私と同年代だし、私が死ぬころどうなってるかもわからない。かと言ってあんまり若い人にそんなこと頼んでおくのも気の毒だし、できれば業者に契約しておきたいのですが、こういうのの全国チェーンとかなさそうだしな。「あなたがどこでお亡くなりになっても、死亡届と焼却と埋葬は確実に現地に行って処理いたします」みたいな会社は。

まあ、老人ホームに入る前に家を売るか貸すか処分するかしなくちゃならないし、その前に家につまった本を少しでも減らさなきゃいけないし、そのためには研究をまとめて資料を整理して、しかるべき人や場所に譲るか処分するかしなきゃならんし、と、人生の終着点から逆算した結論は、「とっとと今日から執筆の仕事にかかれ!」でした。(笑)

ところで、今日、墓を契約した帰り、失踪したナッツウに似た黒猫が塀に飛び上がるのを見ました。即、車をとめて、そこのおうちをのぞいて、猫たちにエサをやっている優しそうな奥さまに、「この黒猫は?」とたずねたら、いつからか来ているとのことでした。さてはナッツウ?と近寄って見たけれど、どうももっと若くて細いようで、ちがう猫のようでした。
こんなにして、どこかでエサをもらって生きているのかもしれないと思うと、うちに来ているノラにも、やっぱり安いエサでもやっとこうかと考えたりしています。

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カツジ猫