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よくもまあ。

◇私の行くジムの館内放送で、ロッカーのカギをちゃんとかけて下さいとかいう注意をしていて、「他の方との靴のとりちがえになりかねますので」と言ってるので、?と思って忘れていたら、今度は軽自動車の駐車場に普通車を止めないで下さいという看板が出ていて、「事故になりかねますので」と書いてあった。
うーん、「なりかねませんので」ですよと注意したいのだが、何だかえらそうで気が引けて、毎日見るたび、もやもやしてる。

前に「敬愛なるベートーベン」って映画のことを恩師の教授が、「敬愛する」だろうが、とぶつくさ言ってたのを思い出す。結局あの映画見に行かなかったし、DVBでもまだ借りてないのは、私も何となくタイトルでうーんと考えこんでしまうからかもしれない。

◇んなことで私がもんもんとしている間に、高江にはついに自衛隊のヘリが投入された。冗談もいいかげんにしろというか、ひどすぎる。これをちゃんと1面で扱わない一般紙にも、ほとほと絶望したくなる。そう言えば毎日新聞も社説のコラムで、蓮舫さんの国籍の件、当人がうかつのように冷やかしてからかっていたが、烈火のように腹が立った。ジャーナリストのまっとうな感覚をどっかに置き忘れてやしないだろうか。

それとどっちがという問題じゃないが、築地移転問題で豊洲の地下の盛り土がインチキだったと共産党の都議団が指摘したのがきっかけで、大問題になっている。それは当然だが、これについて石原慎太郎元都知事はテレビで「僕はだまされたんですね」とか言ったそうな。よくもまあ。うぬぼれすぎて何でも放言してはばからないバカと、間が抜けすぎてちゃらっとだまされるバカと、どっちのタイプもたまらんが、せめてどっちかにしてくれと言いたい。

◇今日は本当は実家に帰ろうと思っていたのだが、何となく数日ばたばたし過ぎていて、いろいろ細かい仕事がたまってる気もしたので、のんびり家で過ごそうと思ったところが、掃除機かけたり、ベッドのシーツやふとんを取り替えたり、昨日花屋でユリを買ったとき、おまけにもらったかわいいススキを十五夜用に窓に飾ったり、まだ何かいろいろ細かいことをしている内に、あっという間に夕方になった。書きたい原稿もメールも手紙もあるというのに。そして今日も映画を見に行けそうにない。

映画と言えば、配給会社がまたしょーもない邦題を、しっかりちゃんとした映画につけたらしい。Kumikoさんと同じように私も「マスター・アンド・コマンダー」の時の怒りは忘れてないので、こういう話にはほんと腹が立つ。

http://twilog.org/Kumiko_meru

◇ところで、「戦争×文学」全集の、いろんな巻をてきとーにつまみ食いしてるが、いろいろやめられないぐらい面白い。「日清・日露」の巻では獅子文六の「出る幕」という2・26事件で生き残った総理の話とか、妙にのんきで大らかで面白かった。「小さいおうち」で女中のタキちゃんが感銘を受けた、総理をかくまった女中さんたちの話も生き生きと書かれている。それから陳舜臣の「その人にあらず」も日本に亡命して来ていた中国の要人を暗殺しようとする話で、読んでいると中国と日本が密接に関わっていたのがよくわかり、もしかしたら今よりも日本社会が開放的で国際的だったのじゃないかという気までする。

上の家の仏壇の前にもこのシリーズを数冊おいていて、「ヒロシマ・ナガサキ」はそっちにあるので、線香の火が燃えつきるまでの間、仏壇の前で読むことにしているのだが、久々に読んだ大田洋子の「屍の街」がやっぱり圧巻だった。報道では原爆投下の瞬間に「阿鼻叫喚の巷と化した」と言われたけど、実際にはしーんとしていたとか、河原で避難している人たちの中の一人の中年主婦が被爆の翌朝、「40年以上生きてきたけど、こんなに何も仕事をしなくていいヒマな朝はない」と冗談を言ってるとか、被爆後に避難した近郊の村で、少女たちが「天に焼かれる、天に焼かれる」と歌うようにくり返して歩いて行くとか、時に大らかだったり、時に幻想的だったり、いろいろともう、酔わされる。

◇今日、変に忙しかった一つは、だいぶ秋らしくもなったし、急に栗と桃が食べたくなって、桃は今度スーパーで奮発して買うとして、栗は裏の崖から奥庭に落ちて来ているはずだからと、一念発起、茂った草を切り倒して、紙袋いっぱい、いがつきのを拾ってきて、いがを取って洗って少しゆでて食べるという大事業をしたせいもある。そこそこおいしく食べられた。しばらくはデザートには困らないかもな。

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カツジ猫