よみがえる風景。
◇カツジ猫が書いている「ごめん寝」については、前にも紹介した、こちらの画像をごらんください。
http://matome.naver.jp/odai/2132411388812565601
顔を両手でおおうのは、これまでの他の猫たちもしていましたが、カツジのは、ただひたすらに、おでこをふとんや枕や私にくっつけてうつむく「ごめん寝」です。最初見たときは正直ぎょっとして、おまえはそんなに人生に見たくないものがあるのかとか思ってしまいました(笑)。
◇庭では大工さんが書棚にする材木を削るたのもしい音がしています。
調子にのって、幅や高さにいろいろ、これでもかというような注文をつけたので、最後までまちがいなくできあがるのかどうか、こちらとしても気が抜けません。
まあこれができれば、田舎の家からも本を運んで来れるし、仕事も進むはずなのですが、とにかくできてみないとわからない。
◇カツジのいる美尾庵には、朝からいっぱいに陽がさしこんで、廊下もベッドも光の縞です。防犯をかねた猫の脱走防止にサッシの内側に木の格子戸をつけているので、それが模様になっているのです。
昔、子どものころ、田舎の家で私が好きだった南向きの長い廊下があって、そこはよく陽があたって、家族がくつろいだり仕事をしたり猫が寝たり私が本を読んだりする場所でした。その後、母が犬と暮らしていた間に廊下は汚れて傷がつき、リフォームの時に作った新しい風呂場のために、日当りも少し悪くなりました。
犬も亡くなった後で、私は帰省するたびに廊下を洗ったりみがいたりしていましたが、昔の黒光りする美しい輝きは取り戻せず、一度遊びに来た友人から、ここを張り替えたらきれいになるのにと言われたとき、私はあの最高の空間がもう他人の目にはそれほどに、荒れ果てた場所になってしまったのだなと実感しました。
でも、陽射しがいっぱいで、広いベッドにカツジ猫が寝ている、美尾庵の様子をながめていると、ふっとあの空間がそのままここに移動して来たような、ふしぎな錯覚にとらわれます。ちょうど、田舎から持って来た古い置き床が(前の写真で、富士山の絵がのせてあったやつ)そばにあるせいかもしれません。
◇テレビも新聞もじっくり読む機会がないのですが、日銀の景気対策とやらも、庶民にはむしろ苦しいだけという論調が次第に広がりはじめているのは何となく感じます。今さらと言う気もしますけど。
私はよく言うのですが、米国のリーマンショックのきっかけは貧困層がローンを払えなくなったことがはじまりだったのでもわかるように、貧しい人を無視していると結局は世界も国も、その人たちの不幸によって滅びるようになっているのですよ。あんな明確な現象を見ていて、まだそれがわからないんですかねえ。
もっとも私は安部首相が「撃ち方止め」と言ったのは誤報だったという話には、ちょっとほっとしています。いくら首相がバカでセンスが悪いにしても、あのことばのカルさと品のなさはあんまりだとがっくりし、批判する気力もなかったものですから。
そりゃ、近くにあんな言葉をあの状況で思いついて口にするバカがいたということだけでも充分救いがたいし、首相が「そういうことだ」と言ったのだって、たいがい頭がゆるんでるとは思いますよ。とっさにでも「いや、そういう言い方はどうもね」ぐらい反応しませんか、ふつう。
でもね、いっしょにしたら学生が怒るでしょうが、授業や試験で少々のまちがいがあっても、こっちの要求水準が低くなってるとまったく腹も立たないということがあるように、私はもはやあの首相がコピペの原稿読み上げようが何しようが「ああまあ、あの人ならやりかねん」という感覚が身についているので、そのくらいのことはもうあきらめてしまう心境で、軽蔑はしても激怒はしない末期症状に陥っています。だから、とりあえず、そのくらいはもういいというか、いいとは思わないけど、本人が「撃ち方やめ」なんて、国や国民や政治の現状をあんたはいったいどうとらえてると、呆然としてあいた口がふさがらなくなるほど軽薄で無様な発言をしたというか、そういう表現をとっさに思いつくような精神の持ち主かということを認めるよりは、まだしもちょっとは幸福だわ、この国の国民として。ああもうここまで期待度を下げてしまっていいのかと思うけどもね、我ながら。
にしても首相は何で即座に反応しないで「ねつ造だ」とか騒ぎ出したんでしょうね。私があの発言にうんざりしてから彼が「事実とちがう」と言い出すまでに、ちょっと時間があったような気がするんだけど。よっぽど評判悪かったのか次第にこれはまずい言い方と気がついたのか。そして「ねつ造」とか騒いでいても、「そういうことだ」とその時点で拒否感を持たなかった自分のセンスについては、気にしている風はない。
まったくどこまでもずれてるなあ。あくまでも、この人らしいずれ方だが。
橋下市長が慰安婦発言でこけた時もそうだったけど、発言した時点では、そのことばの持ついやらしさや罪深さに気づかないで、あとで「何だかまずかったかな」と思って、あれこれあれこれ取り消しにかかる。そういうのと似たものを感じる。橋下市長の論理をずるずるごちゃごちゃにする弁明とちがって、居丈高な攻撃という手法は、今回ちょっと新しいけど、まあそれも、これまで通りに、この人らしい。
いやー、それにしても、個人の好みで言ってしまうと、こういう居丈高な脅迫めいた発言を、以前の福田首相みたいなそっけない歯切れいい言い方で言われるのもどうかとは思うが、安部首相のあの舌ったらずなもつれた口調で言われると、そのミスマッチもあいまって、何だかますます背筋が寒い。
あの口調は、口調だけで言うと、たとえば弱者を救済するとか現実無視の理想論とか唱える人がもにょもにょとそういう言葉を口にするのに一番似合うと思うんだけどね。強者やリーダーシップとはあいいれない。そこのところももしかしたら、私がイラつく一因なのかも(笑)。
◇天気予報では今週後半からは、がくんと寒くなるようです。
前にちょっと書いた、この季節に着る服ですが、とにかく同じ服を数日着たら、もうきっぱりと洗濯してかたづけて次の服を着ることにしようかと思っています。そうしたら、手持ちの服をフル回転できるかもしれん。
最近、クリーニングに出さず家で洗うようにしているので、母の服も含めて、寒くなるとウールのものが多くなり、洗剤もちょっと上等のものが必要になって来ます。今日あたり補充しておくかな。