インフレ

◎今日、研究会のあとで若い人や先輩の先生と、食事をした時、先輩の七十代の先生が、戦後の思い出など話していて、しみじみと、「インフレは本当に恐いよ。今の若い皆さんは知らないだろうけれど。貯金の価値がどんどん下がって行く、あの恐さはない。安倍さんも若いから、その恐ろしさをきっと知らないでいるんだろうけれど」と話されていました。
私もそろそろ、野たれ死にの覚悟をしておいた方がいいのかもしれませんね。

◎蓮池薫さんの本は、実に面白かったです。飾らない正確な描写の中に、等身大の北朝鮮の人たちの姿が初めて見えた気がします。
食物の配給制が破綻したことが、国が苦境に追い込まれていく始まりだったのだなということも実感できました。

金正日の死に、皆が大泣きしているのが本心かどうか、蓮池さんはていねいに説明していますが、嘘でもないが本心でもないという、その実情も私はよくわかる気がする。そもそも、そんなに不思議でしょうか。そういう民衆の態度も、あの国有放送の雰囲気も。

ゆきうさぎさんの９４歳のお母さまは、北朝鮮の報道があるたびに、「ああ、昔の日本そっくりね」といつも言っておられて、全然理解に困っておられなかったようです。「天皇制のころの、戦時中の日本はあの通りだったよ」とくり返しておられたとか。
そういう、おなじみのなつかしさを感じる世代も、だんだん少なくなって行くのでしょうが。

しんしんと寒いです。明日は雪でしょうか。