サウンド・オブ・ミュージック。
◇キャラママさんが少し時間ができたというので、歌舞伎でも見ようかと出かけたら、「昨日で終わりました」と言われて、窓口でおばさん二人、ずっこけました(笑)。
このまま帰るのもしゃくだってことで、キャナルシティで始まったばかりの、劇団四季のミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」を衝動買いならぬ衝動観劇してきました。
「ウェスト・サイド・ストーリー」もだけど、映画も私は好きですが、舞台で見るとまたいろいろと映画の加えたアレンジがわかって、面白いんですよねー。
マリアさんがちょっと健康優良児っぽかったけど、まあなかなか皆がんばっていて楽しめました。映画でもそうですけど修道院長の「すべての山に登れ」は圧巻ですねー。冒頭でこの人が讃美歌歌いはじめたとき、ちょっと騒いで笑ってた幼稚園か小学校かの団体客が、すぐにしーんと静かになったのもさすがです。
に、しても、映画でもずいぶん政治的にきちんと言いたいこと言ってるなーと思ってたんだけど、舞台はそんなもんじゃないのね。楽しい明るい劇ではあるけど、「うわあー、こんなに厳しい苦い話だったのか」と、あらためて脱帽しました。
映画でははしょられてたけど、トラップ大佐の周辺が友人も恋人もふくめてナチスにどう対応するかで、(舞台は小国オーストリアですから、なんせ)皆が動揺し対立し分裂して行くさまが、しっかり描きこまれているのに、もうびっくり。
あの男爵夫人と別れたのだって、二人の政治的立場のちがいが大きな原因だったなんて、誰が想像したでしょう、映画だけ見てたら(笑)。
それで、ナチスがオーストリアを併合したあと、親衛隊だかなんかが、「おたくは(カギ十字の例の)旗をあげてない! このうちだけだ!」と文句つけに来る場面では、「あーそうそう、古来、映画や小説で、旗あげろ、敬意を払え、とか言ってくるやつは悪役だって決まってるんだよなー」と、あらためて確認、そのあと、大佐がドイツ軍の監視のもとで、エーデルワイスの歌を「祖国よ永久に」と歌いあげる場面でも、「そうそう、『カサブランカ』でもそうだけど、だいたい、まともな国歌なら、歌うな、歌ったらやばい、という時に、それでもなおかつ歌うもんで、歌わなかったらやばい、と言われた時点でそれもうすでに国歌じゃないよな」とか思ったりもして。
そしてパンフレット見たら、オーストリアの国じゃいまだにナチスに協力したのがトラウマになってて、「サウンド・オブ・ミュージック」もあんなに世界で有名なのに、2005年というからつい最近まで上演されず、国民はほとんど知らなかったんだって。
重いよなあ、いろいろと。記憶やら、責任のとり方やらが。
キャラママさんは最近、「ぬれぎぬ」に関する原稿を書いてて、なぜかソ連崩壊についての本を読みはじめてて、ヨーロッパのこうした小さい国々の事情にも関心が高まってるとかで、これまた妙に満足してました。
◇カツジ猫くんのお顔、最高です。ぜひハガキにして下さいっ!(笑)