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チェシャー猫かよ。

◇朝から授業の準備だの何だのと、しゃかりきで髪ふり乱して仕事していて、ふと気がついたら、カツジ猫の姿がない。
いつも寝ている椅子にもいないし、クローゼットにも庭にもいない。トイレ、風呂場、洗面所、玄関、とにかくどこにもいない。
そう言えば昨夜はベッドに寝に来なかったような気がする。
私は夜中まで上の家で資料をさがしていた。その間にどこか外で猫が鳴いてるのが聞こえたが、近所のノラさんかと思っていた。
もしかしたら、何かのはずみで外に閉め出されたカツジが鳴いていたのだろうか。
念のために庭に出て、カツジーカツジーと呼んでみたが、まるっきり反応はなし。

◇まあ、首輪の迷子札がこういう時には効力を発揮するだろうと思ったり、とことんヘマでドジだから、きっとまずまっ先に、あの札を落っことしてしまうんだろうと思ったりしながら、結局こうなる運命かとあきらめながら家に入ったら、エサを置く机の上に、やつが飛び上がるところだった。

いったいどこから出てきたのか、どうしてもわからない。机周りなんて、もちろん、くまなくしっかり探した。絶対どこにもいなかったのだ。
本当に虚空からわき出たようだった。わが家のどこかに異次元に開く壁があるのか、真剣に疑った。まるで、チェシャー猫である。
まあふだんから、図体はでかいくせに、こいつ変に存在感なくて気配を消すからなあ。色も忍者っぽいし。

◇抱いて、「このチェシャー猫が」と言いながらこねまわしたら、変な顔をしていた。
さてさて今からまた仕事です。

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カツジ猫