お野菜天国
トップページの更新記録には出ないのですが、「川っぷち」の「母と私の戦後」に、昔メルマガに連載していた記事をいくつか、つけ加えています。
連句を作って見ようかな、とおっしゃる方に、一言。自分が下手な見本を出しておいて言うのも何ですが、あまり立派な連句の指導書とか手引書とか、読まない方がいいかもしれませんよ。
そういうのを書く人って、立派な俳人や文学者なので、けっこううまい句を詠まれてるので、こちらが萎縮してしまいます。
前の句とは、つなげて一つの世界を。
もう一つ前の句とは、完全に切り離して別の世界を。
この基本さえ守れたら、後はもう、どうでもいいぐらいの気分で、がーっと、やっちゃって下さい(笑)。
あと、むしろお金があれば買っておいたがいいのは、「歳時記」か「季寄せ」。大きいのから小さいのまでピンキリですが、小さいのでもいいから。季語を集めている本で、これ、連句や俳句をやらなくても、見ているだけで本当に楽しいですよ。「山笑う」とか「菜種梅雨」とか、いろんな季語が本当に美しい。
こういう歳時記とか、留学生の方などにプレゼントしてもいいんじゃないのかなあ。
体重が落ちないので、野菜料理でもしようと、大根や白菜を買ってきたとたん、ご近所のかたから、お庭にできた立派な大根と白菜と、他のお野菜もいただいて、うれしい悲鳴。明日はせっせと料理しないと。
アメリカ大リーグをサカナにした古い笑話集「野球天国」から、また引用。
はずみ
カージナルスからドジャースに移籍されたフレンチイ・ボーダギャレイは、もとから持ち前の一種の夢遊病も忘れずに身につけていた。一日、切迫したゲームのさいちゅう、フレンチイは塁から一フィートたらずしかリードをとっていなかったのに、二塁ベース上で牽制球に刺された。
「この唐変木!」ケーシー・ステンゲル監督はいきまいた。「立ったまま居眠りでもしていたのか? さあ、何とか言ってみろ!」
「僕にもさっぱりわけがわからないんですよ」とフレンチイは言った。「とにかく僕は塁のすぐ傍に立って、片足でトントンと拍子をとるようにベースを叩いていたんです」
「それなのに、どうして刺されたんだ?」
フレンチイは頭をかいた。「さあ。足が上がったはずみを、タッチされたんじゃありませんか」