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ヒマじゃないけど、ヒマだから

あいかわらず、ラジオでNHKを聞きっぱなしているのだけど、今朝のニュースは、岸田首相が、現金10万円を全額現金で年内に一括給付することを認めるという、方針転換をしたことを大々的に報じている。

この方針転換を首相の柔軟さとして評価する声もちらっとあるみたい。
まあ、アベ首相なら絶対にやらなかったことだよな。意地とか何とかいう以前に、あの男はそういう時にどこまでどう譲ったらいいのか対応したらいいのか、任期中ただの一度も初めからわからずに、座ったり立ったり答弁したりしてたのだと思う。信じがたいほどのまったくの無能力者だったし、スガはよう知らんが、見る限りではそれを踏襲していたから、結果としては似たようなものだった。

岸田首相は、その点では一応指導者としての判断力や対応力はあるから、当然のことを過大評価するのはよくないが、最低まともな国会運営、質疑応答の基本は(小学校のホームルーム程度の基準には)戻っているかなとは感じる。

ただね、これは、絶対に皆さん機会がある限り、ナマの国会中継を見るなり聞くなりしといてほしいのだけどさ、首相があの「自治体が現金で一括給付してもいい」と「方針転換」したのって、ものすごく時間がかかって、ごたごたごたごたもめたのですよ。たったもう、「それでいいです」と認めるためだけに。

たしか立憲の小川議員と長妻議員が、連続で二人がかりで、「自治体が、現場が、どうなるかすごく心配している」「全部現金一括給付をしても、たしかに自治体に支給してもらえるのか、本当にまちがいないのか、条件はつかないのか」「問題ないということを、首相の口ではっきり言っていただきたい」、とくり返しくり返し、ねばってねばって確認して、やっと言わせたんですよ、たったもう、それだけのことを!

首相自身は答弁に立つのを、そう逃げてるという感じではなかった気もするけど(そこはようわからん)、とにかく政府は、絶対に何とかして、首相にそう明言させるのを避けて、逃げて、他の大臣や担当者に回答させてすまそうとし続けていた。二人の立憲議員を初め、野党が騒然として抗議して、議長がおたおたもたもたして、やっとこさ首相が、「全額現金給付を自治体がしても、まったく問題はないし、政府が全額支給する」と直接回答したのです。

その間、たっぷり20~30分あったぞ。私の体感時間では。そして、質問している立憲議員が言ってるのは「首相、たしかにまちがいないんですか、はっきりさせて下さい」「現場は不安なんです、私はずっと自治体の現場の人たちから聞かれてるんです」「はっきり首相の口から言って下さい」みたいな、そんな単純な要求のくり返しだけです。国民の税金使ってからに、貴重な時間の垂れ流し。質問者が悪いんじゃないですよ。ちゃっちゃと首相が回答すれば、あっという間に片づいた話

言いかえれば、そうしてまで、首相に明言させたくなかったし、方針転換させたらどうなるかの読みも何にもなかったんだろ。できれば、アベやスガ風に、黙殺してバカにして混乱させて拒否して、あとでいろいろごまかせるようにしておきたかったんだろ。これまでずっと、それでやって来たように。

この実感と、実際を、どなたも肌と三半規管で、しっかりはっきり確認して、知っておいてほしいわ。こんなことを一言首相に言わせるために、どんだけ野党が苦労しないといけないか、そこまで今の政府や閣僚は、守りに入って甘やかされて、ぐだぐだのぶくぶくの水ぶくれになってるんだって、ぜひとも実感してほしい。いやほどね!

あと、先日夢うつつでラジオ聞いてたら、ニカラグアかどっかが、台湾と国交断絶したとか何とか言ってた。中国といい関係にあるから、例の民主主義サミットでの米国の台湾優遇に反発したんだとか。

そらもうあなた、バイデン大統領が中国やロシアをどう言おうと、自分らが民主主義の代弁者と言い張ろうと、中南米や中東の諸国を、どんだけあることないこと言いがかりつけて、チリのアジェンデ政権を初め、侵略し攻撃し、破壊し蹂躙して来たか、肌で知ってるからな、現地の諸国は、この何十年ほど、いやってほどに。

ロシアや中国の現状には私も危機感を抱くし、何とかしなくちゃとは思うけど、米国がそれ言うのなら、今の今までやって来て、トランプが「もうアメリカも金がなくなったから、世界の他国に世話焼いて手出すのはやめた、軍隊引き上げるから勝手にせい」と、自分らの都合でやめた、第二次大戦以来の残酷で没義道で無軌道なお節介を忘れたように、なかったように振る舞われても、おいそれと支持や協力はできんわな。あんたが言うか、その口が言うかと、まず思いますよ、記憶喪失症になってなきゃ誰でも。

それと私は政治史や社会史や思想史の知識はまるでないし、大学時代に読みかじったか読みなめたかぐらいの記憶しかないけど、民主主義の発祥だか基本だかは、たしかドイツのワイマール共和国あたりの社会主義者たち(リープクネヒトとかルクセンブルグとか)の思想でもあったんじゃなかったんだっけ。そのへんのことも確認しないで、いきなり、おれらが代表で守ってきた民主主義でサミットしますとか言われても怪しすぎて引くしかないんだけど。
今さら民主主義の定義や確認なんて、私にしてる時間はないから、もう知らんけどね。アメリカもいろいろ大変なんだろうし、しっかりしてもほしいけど、やることが、ご都合主義で雑すぎる。

さらに日本について言えば、もうそんないいかげんとか雑とかいう話を飛び越えて、政治家をはじめとした、志の低さ(というより、なさ)、思想信条や理想のなさが、衰退欠如しすぎてる。それを体現してたのがアベ元首相で、それが今まだうろちょろうごめいてるんだから、もはや何をか言わんやだ。

あー、人からいただいたおいしいおいしい下仁田ネギでお味噌汁作って食べる予定が、すっかり遅くなってしまった。何たるこったよ。

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カツジ猫