マスメディアと参政党

最近は大手のテレビや新聞も、参政党の危険さやめちゃくちゃぶりに気づいたらしく（何しろ、代表は、「今言っていることは、日本人ファーストにしろ女性は子を産めにしろ、選挙のスローガンなので、当選したらそんなに過激なことはしない」とか言い出してるようだし。目が回って吐き気がする。何のための選挙だ。公約だ。怪しげな訪問販売だって、もうちょっとましなことを言うぞ。政党どころか人間としての体さえなしていない。「結婚したら今約束してるようなことはするかどうかわからないけど。ご家族や世間や君に受け入れてもらいたいから言ってるだけだし」とか言う男（女でも）のプロポーズ受けますか？個人的には別にかまわないけど、これは国や世界を左右する話ですからね、私にだって影響がある）、そこそこ厳しいことも言い始めてるようだから、タイトルはもっと正確に、「報道ステーションと参政党」とした方が正確なのかもしれんけど。昨日カーラジオで同番組をたまたま聞いたら、参政党の人気の秘密みたいなノリで、例によって支持者以外の人向けのあたりさわりのない発言だけを強調した、しごくまともな政党みたいな紹介をしていて、あきれかえって高速から海に落ちそうになった（笑）。

こんな露骨な誘導してどうしたんだ、久米宏が司会してたころに比べて、報道ステーションも落ちて腐り果てたもんだと思いながらも、いや待てよ、久米宏の時代でも報道ステーションはちゃんとしていそうで、似たようなこといつもやってたよなと、変なデジャブも感じた。

自民党や保守政権がおかしなことになって、選挙で審判が下されそうなとき、本来はそんな政権でもがまんするのか、不安でも対立する政党に期待してみるか、どっちかの選択しかないはずのとき、報道ステーションは、いつもその時急に現れた海のものとも山のものともつかない勢力を紹介して持ち上げて、みっともないほど肩入れして、共産党や社民党など、はっきりしたたしかな反対勢力をあきれるほどに無視し黙殺しつづけた。「自民党はたしかにひどいです。何とかしなくちゃいかんです。でも一気に否定するのが恐い人は、当面この程度の反対勢力もありまっせ」みたいな感じで。あんまり何度もいつも、それがくり返されたから、その感覚を私は骨身にしみて忘れない。

これって、それこそDVや児童虐待をしてる配偶者や親に、きちんとした施設を紹介しないで、そのへんの見知らぬおっさんやおばさんの家にひとまず滞在しなさいと言ってる程度に無責任な話ではあるまいか。

まあ、そんなにしてでも自民党や保守政権を否定してほしかったと言い訳するなら、それもまったくの嘘ではなく、それなりの善意や使命感だったのかもしれんけど。当時は報道ステーションはリベラルでちゃんとした番組って印象があったから、何となく他の新聞もテレビもそれにならっていたような気がする。その影響力も知らなかったとは言わせない。それが目的で、世論をリードし社会を変えるという熱意も、あの番組にはその頃は多分あったし。

でも、そうやって登場し、結果としては共産党や社民党など老舗の歴史ある反対勢力を弱まらせまくった政党や団体は、今はひとつも残っていないか、何らかの自民党の補完勢力となっている。（れいわ新選組の出現がこの点どうだったか私は覚えていないが、もし似たような図式と経過だったら、それはとても喜ばしい例外ではある。）

結果としていつも報道ステーションは、有権者に厳しい選択と明確な判断を選ばせなかった。私だって共産党や社民党に疑問もあれば不安もある。肌の合わないところもある。でも選挙ってそうでしょう。政治参加ってそうでしょう。何から何まで支持できたら共感できたら、それは信仰か恋愛か推し活か、いやそういうものだって、そんなにべったりむっちゃりの全面肯定じゃない人だって多いでしょう。それでも、自分を保ったまま、そういう違和感を比べてみて、許せないとかまかせてみるかとか決めて行くのが人生でしょうに。

少し前にXで、「どの政党を信じたらいいのか」と訴える人に、適菜収氏が「どんな政党でも信じてはいけない。政党はそんな対象じゃない」みたいな回答をしていたけど、まったくその通りですよ。まあ、生まれて初めて株を買って巨額の投資を適当にする人も多いから、しかたないっちゃあしかたないけど。

とにかくそうやって、私に言わせりゃこりもせず、報道ステーションは毎回視聴者を甘やかして、ぎりぎりの選択を回避させて、怪しげな新奇な勢力に着地させて、何か役割を果たした気になってたんですよ。それだけは昔も今もまったく変わってない。

変わったのは、そうやって選ぶ「とにかく自民党や現政権を滅ぼすために、とりあえず役立ちそうな勢力」が、ここまで劣化してナチスまがいの、いやそのものの参政党にまでなってしまったことですよ。報道ステーションともあろうものが、その本質や危険性に気づかないわけじゃないだろうけど、結局長年守ってきた、その図式から抜け出せてないだけなんだろうと思う。それはそれで、やりきれませんが。

既成政党の手垢のつかない新鮮さと言いたいのかもしれないけど、手垢もついてないけど、毒がついてるってこともあるんですよ。今回の参政党の場合は特に。

まあいいや（よくないけど)。元同僚が教えてくれた参政党についての記事を紹介します。実は数日前から、フェイスブックのメッセージ欄が見られなくなり、確認できないのですけど、多分これよね。まちがってたら教えて下さい。

それからこれも、「水の王子」の読者の方が、公式記録について書いた私の記事によせて下さった資料です。合わせて紹介しておきます。

どちらも、教えて下さった方が「長いですけど」「よろしかったら」と恐縮されつつ紹介して下さっていて、参政党や立花なんちゃらをはじめとした露出狂（しかも見せるものが立派でも本物でもきれいでもない。笑）に比べるのも申し訳ないつつましさに、心が洗われる思いがします。いやマジで。

ただ、そのお一人もどこかで書いておられたように、長くなくては語れない真実や真理を、短く読みやすく書いたり話したりする工夫は、私たちもしなければならないのかもしれませんね。いや、しなくてはならないかどうかも、よくわかりませんけども。

写真は、昨日の花火のおまけ。今日もきれいだったんだろうなあ。