メリル・ストリープ(予告)
九十八歳で亡くなった母の最晩年、大好きだった相撲や野球も、「知ってる人がもういないし」と興味をなくした母を老人ホームに毎晩訪ねて、いっしょにテレビを見て遊んだ。いつも見ていたのは、動物番組と嵐の皆さんの登場する他愛もないバラエティーだった。
母の死後は、そういう番組もすっかり見なかったが、嵐の皆さんがそのころとほとんど変わっていないのもあって、他の番組で見るたびに母と過ごした時間を思い出してなつかしく、数日前のコンサートにたくさんのファンが集まっているのを見て、その中に母と自分もいるような気がした。
どんなグループもタレントも、いろいろ離合集散があったり変化するのは、それはそれでひとつの成長や歴史だろうが、嵐のグループがほとんど変わらない形で存在しつづけてくれたことは、やっぱり何となくありがたい。
その一方で、テレビのバラエティが、ものすごく長時間をかけて、コンサートで人の集まる様子を中継しているのを見ると、映像的にも内容的にも、面白く楽しく刺激的な点でもまったくひけはとらないのに、連日数万人が集まって戦争反対、憲法守れと訴えているデモや集会の様子を一分たりとも報道しない、日本のメディアに、もうほとんど、目まいのような恐怖を感じる。そういう点では虚心坦懐に母や嵐の思い出にふけれないのも、何だかひどく腹が立ってならない。
NHKはさらにひどくて、もちろんデモや集会のことにはまったくふれないだけではなく(そのくせ、内閣支持率がまだ高いということは、すかさず大々的に報道して、批判する人たちの心を折りに来るのが、最近ではもうみえみえだ)、言ってみればただの一政党にすぎない自民党の集会を、すかさずしっかり報道し、世良公則氏が招かれて「燃えろいい女、燃えろサナエ」と歌い上げ、高市首相が満面の笑みで両手を上げてはしゃいでいる映像を流すのが、ちょっともう。
こんな場が本当に首相は好きなのだなあと、しみじみわかるのは、もう今さらだし、世良さんの声や歌が、あいかわらずしっかり張りがあって聞けるのも逆に何だかとても、うらわびしくて悲しい。
ついでに自衛隊員の方が国家を斉唱したりして、さすがに記者会見で自衛隊の政治活動の禁止に抵触しないのかと聞かれた小泉防衛相は例によって、ただきっぱりと「しない」と型通りの返事をしたものの、会の直後にSNSで感謝の言葉を述べてすぐ削除した理由を重ねて聞かれると「ご本人に迷惑がかかってはいけないと思った」と、これまた国民や憲法そっちのけの回答。せめて投稿したり削除したりする前にちょっとは考えろよ、おっちょこちょいがと、つい舌打ちしたくなる。まあ、質問した記者は立派だ、と、あたりまえすぎることをわざわざ心から誉めなくちゃならんのも何だかなあ。
そして首相はこれまた、内容も理由もなしの、ひたすらかたちと枠だけの決意表明で「改憲を進める」と言う。いったい能登やその他の災害被害の復興もまだ充分ではなく、石油不足で患者さんたちが本当に深刻な状態にさらされている中で、改憲どころじゃないでしょうが。誰がどう考えても。
もちろん日本の芸能人たちも、何人も首相や政権を批判し、戦争反対を訴えている。どれだけの攻撃があるかと思うと、本当に頭が下がるし、感謝するし、救われる。私のパソコンのYahooニュースでも最近は高市さんへの批判の記事が増えて来た。しかし、いつも言うように、これは私の茶坊主パソコンだかAIだかが、私の気に入るような記事を選んでいるかもしれないからなあ。私は高市首相ほど人が良くないから、自分の気に入るようなことだけ耳にして仮想世界に安住するような気にはなかなかなれないんだよ。
それでもせっかくだから、そんな記事のひとつにのっかってやると、首相はどこかの美容に詳しい方と三十分以上熱心に話し、パキスタンかどこかの首脳とは電話で十分しか話さなかったとかいう話もあった。どーせ、そんなことでさしあたりとりつくろって何かやってる感を出すのもいつものことだから驚かない。それよりって言うか、最近ニュースでちらと見る高市さんの顔は妙にきれいになっていて、好きな人は嬉しいだろうなと思ったり、しかしどこか壊れそうな不安定さもあってこっちが不安になったりするけど、これはもしや、とびきりの美容の専門家といろいろ相談してるのかなと、しょうもないことを考えたりする。
えーい、まだまだ書きたいことというか楽しいことも多いのに、何だか時間がないのよねえ。毎回毎回すみません。またしょうもない予告だけしとくと、今どうしてか人気のあるらしい、プロ野球の中日ドラゴンズの、その昔の「金鯱軍」に関する話と、海外というかアメリカの立派な俳優たちが軒並み、堂々とトランプと戦っている中の一人、かの名女優メリル・ストリープについて書きます。いや、予告だけで終わってごめん。ここまで書いとけば、いくら私でも明日は書くだろうってことで(笑)。
