一周年
◎わが猫カツジがうちに来て、もうすぐ一年になろうとしています。
去年のいまごろ、彼は頭がまるごと全部なんとなく白っぽくなって、元(当時の)飼い主さんと「苦労してるのかな」と笑ってたのですが、この数日見ていると、またそのときのように頭が白っぽくなってきたような気がする。してみると、これはただ季節のファッションなんだろうか。
しっぽの先が茶色がかってきたのは元に戻ったようです。故キャラメルもそうでしたが、こういう洋風の猫の毛色は、微妙に変化するので面白い。
私が風呂に入っていると、時々カツジがやって来ます。キャラメルもよく来て、お湯の中にひじまで手を入れて、びしょびしょになって遊んでいましたが、カツジは恐がりなのか、手は出さず、タイルの床の上で意味もなく、ころころ転がったりしています。
キャラメルは金色がかった毛並みでしたから、音もなく近づいてくると、風呂場にふっと光がさしてきたような感じがしたものでしたが、カツジは黒と灰色なので、雨雲か影が近づいてくるような感じがします。(笑)
◎自民党の不信任案はあまり世間の評判はよくないようですね。「何をしてるんだか」という気分が大半だと思います。
もっとも、震災の最初から、自民党の立場はむずかしかろうなあと、何となく同情はしていました。現政権を変に攻撃したら足をひっぱっていると思われる。(今がそうですが。)さりとて、挙国一致(いやな言葉ですが)で支援すると、その功績はやっぱりどうしても現政権のものになる。政治的な戦略と、人間としての良心がともに問われる立場だなと思っていました。
もっとも、同情しながらも「私ならどうするかな」と、やってみたい気も少しはありましたが。(笑)
そう言えば、阪神大震災のときは村山政権、今回は菅政権と、ともに自民党ではなかったことで、自民党以外の政権だとろくなことが起こらないと思うのか、大事な時に自民党以外の政権だったのが、せめてよかったと思うのか、人によってさまざまでしょうが、私は後者です。手際のよさより何よりも、こういう時は口だけでも姿勢だけでも、少しでも弱いものの味方をすることをたてまえにしている政府の方がまだしも安心できるからです。原発を推進し大企業を優遇し、不信任案を出そうというこの期に及んでさえなお、原発か脱原発かについては一言も言わない自民党など、もう危なくてしょうがない。
しかし、民主党の支持者や民主党自身の中にも、ひょっとしたら、「こんな時に政権担当していて運が悪い」と思っている人はいるのかもしれない。自民党支持者や自民党の中にも「やれやれ、こんな時に政権担当していなくてよかった」と思っている人もいるかもしれない。
その逆に、「こんな時に政権を自分たちが担当していてよかった」と胸をなでおろしている民主党の人、「こんな時に自分たちが政権をとっていないとは、くやしい、残念」とじりじりしている自民党の人、もいるのかもしれない。
政党や思想信条とはまた別に、あるいはひょっとしたら、それ以上に、私は「こんな時に政権担当して運が悪い」と思う人たちではなく、「こんな時に政権担当できるのは幸福だ」と思う人たちに、絶対に共感できるし同調できます。
いや、というか、私は政党はもちろん、世の中の人は皆、後者だろうと、これだけ年をとって経験を重ねても、まだ何となくぼんやり思っていた。そうでない例を現実に山ほど見てきても、まるで学習していない。(笑)
今の政局や、世間を見ていると、もしやひょっとして、「こういう時に政権をとっている幸福」や「こういう時に政権をとっていない不幸」を痛切に感じている人というのは、案外少ないのかなと気になってきた。当事者だけでなく、解説する人、見ている人の感覚も含めてである。